断絶と欺瞞

北海道の泊原発が定期点検で2012年5月5日に停止してから、日本で運転している原子炉はゼロになっていたが、6月下旬には福井の大飯原発が再稼働する見込みである。再稼働によってすでに存在している放射性廃棄物の量が劇的に変化するわけではない。あるいは夏…

過剰相対リスクの意味

「そもそも発症するガンに比べたら放射線の被ばくによる発症は微々たるものである」。この一年の間に随分聞かされた。例えば次のような例である。 もっと低い放射線量では、症状もなく、検査でも分かりませんが、発がんのリスクは若干上がるだろうと想定して…

原子の名前

日本の放射線防護部会の議事録を一年ぶりぐらいに眺めた。当時は事故前の議事録しかなかったのだが、事故後の議論がいろいろアップデートされていた。次はその抜粋。 【米原委員】 活性汚泥で東京都などが問題になっていることを含めると、現存被ばく状況は…

月旅行

保育園の先生と親の懇談会というのが年に一度ある。夜の7時から9時半まで、各クラスで集まり輪になって先生がクラスの現状などを説明してくれるわけだが、半分ぐらいはビデオである。「発育とは?」的なディスカッションもあったが、ビデオの方が面白かった…

近況

昨年の11月にバルセロナのことを書いてから、年末年始に車でバルセロナ、今週もバルセロナとなにやらバルセロナにばかりいっているのだが、半分は友達が大勢住んでいるからであり、半分は仕事である。友達がいると仕事もなにやら舞い込んでくるので、どちら…

4月某日

先日のル・モンドの記事にあった「犠牲」の話がどうも頭を離れない。リスク論のはしごを外すようなところがある。例えば「10万人に1人がこれで癌になる」といったときに、「人間30%癌になるんだから、ほぼ無視」というのがこの一年よくみかけた議論の型だっ…

3月某日

一年前の3月11日、ローマ近郊で講義していて、学生が「日本が大変なことになっている」とラップトップをもってきて、イタリア語のニュースを見せてくれたのだった。日本ではよくあることだ、と答えたものの、帰りの飛行機に乗る頃にその全貌を知って、よくあ…

バルセロナ

知人にうちの研究所で講義やら実習やらをやってくれないかと頼まれた。あれもこれもとのことで、思いのほか長いプログラムになり、結局二週間弱の滞在。なにしろスペインの食べ物が大好きなので呼ばれたら私はいくのである。無珍先生、義理の妹ともども家族…

近況

あっという間の二ヶ月、というのも、研究所で開かれるあのワークショップ、このコース、と妙にその手の集いに関わることが多く、結果として忙殺。夏休み期間のマイペースが懐かしい。例のごとく、これ書いているのは11月5日だが、10月31日付で投稿。 無珍先…

メモ

避難リスクは被曝リスクの何倍? - 地下生活者の手遊び http://t.co/5bniQW3 避難を希望する人には補償する、という道は確保すべきだと思う。また、そもそも現状では細かい測定が終っていないので、被爆リスクとの比較は一般化できないだろう。 SPEEDIのシュ…

近況

7月に日本にいって帰ってきてから、無珍先生はたいへんごきげん斜めで「パパ日本にいった」となんどもいうので、ちょっとめいった。 8月の初めに3人でしばしミュンヘンに。春からバーゼルからミュンヘンにうつって仕事をしている大学院の研究室の先輩の家に…

三回忌

6月の終わりから7月のはじめにかけて日本に行った。用事はいろいろあったのだが、もっとも重要だったのは3月末にしそびれてしまった無珍先生の母親の三回忌である。震災がある前に飛行機の仮予約などもすませて、義理の妹ともども三人で3月末に日本に行…

7月某日メモ

あさっぱらから草むしり。新自由主義の人って「死者の意志」をどう考えるんだろう、と考えながらドクダミの群れを引っこ抜く。 環境問題と優生思想(3):科学… http://htn.to/iamGBn 重要な視点。生物学的に言えば、人間が核戦争で滅びたって、代わりにその環…

オチがあるわけではない、たんなるメモ。ドイツの文学者エーリッヒ・ケストナーに『飛ぶ教室』という名著がある。そのまえがきがすばらしい。 どうしておとなはそんなにじぶんの子どものころをすっかり忘れることができるのでしょう?そして、子どもは時には…

ギリシャ

過去無珍先生と離れて暮らしたのは最大48時間であるが、ついに4泊5日のミーティングに一人で参加して少々緊張気味。義理の妹にこの半月で左ハンドル右側通行マニュアル運転をカタロニア人の友人と共に特訓し、送り迎え等に効率の滞りがないように計らったの…

近況

ー 無珍先生はかなり言葉をしゃべるようになってきた。ドイツ語と日本語のごたまぜ。単語をふたつならべてしゃべる感じである。それでも結構なコミュニケーションがとれるので、なかなか楽しい。ただ、朝まだこちらが寝ているときにダイビングで飛び乗ってき…

被曝リスクの計算について。

年齢による補正のない現行のもっとも一般的な被曝発ガンリスク計算をみてみる。 米国科学アカデミーの低量放射線の被曝における癌リスクを調査した委員会(BEIR)の2006年報告書(上記文献[3])にしたがえばリスク係数は5.1%/Svだそうである*1。被曝累積量をか…

国家のリスクと個人のリスク

在日アメリカ人に向けて放射線のリスクを説明する短いセッションが2011年4月7日に東京で開かれた。米国大使館のウェブサイトにビデオへのリンクが貼られており、Youtubeで4つのセッションを眺めることができる。そのうち、放射線の健康リスクに関するセッシ…

福島原発の原子炉および使用済み燃料棒の冷却長期化

この数日ではっきりしたこと。楽観的なシナリオは冷却系が外部電源によって自動的に冷却されることである。しかし、いまだ冷却系の破損そのものの状況がわかっておらず、さらには漏洩する高濃度の放射線物質を含んだ水によって、修理の難度が高くなってしま…

放射線率分布 東北南部、関東 3月24日から27日まで

24日から27日にかけて、全体として放射線率は徐々に低下傾向。3月24日16:00 3月25日16:00 3月26日16:00 3月27日16:00 近く、前のプロットも含めてまとめ、細かい説明も加える予定です。 データについては以前のものと同じソースなので、今のところそちらの解…

21日ー22日に降下した放射線量

21日から22日にかけての新宿百人町で測定された降下放射線量 放射性ヨード(131I) 32300 放射性セシウム(137Cs) 5300http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/f-past_data.html単位はBq/m^2。一平方メートル、畳半…

東北南部、関東一円の放射線率分布(3月23日)

23日16時 22日から若干全体に強度が低下し、前線が後退したようにみえる。データに関して、昨日のものを訂正した。測定点をすべて県庁所在地としていたが、そうではない場所がいくつか。 千葉県 千葉市>市原市 神奈川県 横浜市>茅ヶ崎市 富山県 富山市>射…

状況確認のためのリンク集

「今すぐに問題にはならないレベル」とか(5年後は「今すぐ」ではたぶんないのだろう)、食品の放射線規制値をゆるめようという発言がでてきたり、なにやら泥縄で進行する勢いなので、ジコセキニンでそれぞれの放射線環境をチェックするためのリンク集。放…

東北南部、関東一円の放射線率分布

東北南部、関東の放射線率の大域分布がどこにもみあたらないので、等高線プロットした。 使ったデータは、文科省発表のものを機械可読化したデータを使用した。 そのままではきわめて読み込みにくいPDFのテーブルから、可読な形に変換しているのは三重大学の…

ウィキリークスのアサンジはアナーキストである、国家を弱体化させ、人々を混乱に突き落とす危険な人物である、しかしながらアナーキズムには中心はなく、アサンジがいなくなったところで、こうした国家を弱体化させる動きはなくなることはないだろう、警戒…

長年、年賀状無用派だった私であるが昨年からカードを大々的に送ることにした。今年も返事がいろいろくるので楽しい。Eメールとちがってあまりコンタクトをとっていない人でもだせる、という感じなので、やはり違うものだなあ、と思う。アメリカ人みたいに、…

築地の場外の刃物屋で牡蠣剥きの器具を買った。ヨーロッパと比べると、刃渡りが長く細身。日本の牡蠣のほうが一般にサイズが大きめだからこのようなことになるのかな、と思う。店の人に、牡蠣剥き器のことをきいたら、プロ用のものもあるというので、見せて…

2年足らずの間につぎつぎと亡くなった義理の祖父、義理の母、自分の妻が残したものを、日本に来るたびに少しづつ片付けている。義理の祖父は中国史の学者、義理の母は栄養学の研究者、自分の妻は建築設計者であったが、いずれも本や書類を集積するのが仕事の…

母校の学部4年生向けセミナーで講義。1年半ほどかかわった共同研究の話をした。実に激しい競争が起きている分野だったので、それを目の当たりにしてなおかつ巻き込まれた経験は私にとって面白くはあったが辟易する場面もかなりあったりした。なにしろ、プロ…

食事記録3日 きのこの味噌汁。実家提供の鰤味噌漬け。めかぶ、もずく。ファミリーマートの”しゅうまい弁当”。長野にある恩師別邸にておせち料理。鰤大根を山ほどいただく。いつぞや鰤大根ほどすばらしい食べ物はめったにない、と演説したのを旦那先生が覚え…