2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

東さんの「信頼」ってなにかなあ、と思っていたのだが、これにたいする考え方はこのあたりかな。 世界は複雑であり、学問は専門領域に分割されていて、いちいち文脈を押さえないと議論に参加できないのではあまりに不自由で、したがってすべての反論可能性に…

情報の断片化とその政治性

nitarさんによる聴講メモ、東浩紀「ポストモダンと情報社会」2008年度第6回(11/14)より抜粋。斎藤純一さんの『公共性』を引用しながらの講義。 次のページに、世界喪失とは生命の配慮であるとかそういうことが書いてあるP48 つまり近代の人間が「世界への…

『戦後日本におけるアメリカのソフト・パワー』

斎藤 貴男・評『戦後日本におけるアメリカのソフト・パワー』 http://mainichi.jp/enta/book/review/news/20081125org00m040026000c.htmlなぜ日本はここまで対米従属なのか http://www.amakiblog.com/archives/2008/11/25/#001255 松田武大阪大学教授の手に…

蝦蟇の油

自然科学は自然を扱う。人間を扱わない。自然科学を仕事の基礎とする者は「人に対して嘘をつくことができる、しかしながら、この大地に向かっては、どうしても嘘がつけない。嘘は、地べたから撥ね返ってくる」。自然を扱うとは、そういうことです。 「人間は…

書評

本の書評の結論部分は極端にいえばその本が<よいかわるいか>ということになるのだが、批評という点から考えれば書評は本来、独立したひとつの作品である。もちろんその本がなければ書評は生まれなかったわけであるが、たいして考えるまでもなく一冊の本に…

少年時代

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小学校のときの友人が自死したとの知らせを受けた。遺品の中にこのところ本人が書いていた子供向けの小説が何篇かみつかり、そのうちのひとつの主人公の名前がわたしの名前なのだそうである。だから知らせがきたのかもしれないが、小学校以来会っていない彼…

識者の言葉を考えてみる。

中学生の娘に売春強要、母起訴 「体売って携帯代作れ」 http://www.asahi.com/national/update/1114/OSK200811140031.html 識者のコメント 大阪府知事・橋下徹さん 「携帯電話で話すことを選んだのはその中学生本人ですから、こうした結果になったのは当然で…

エリート文学と大衆文学

水村美苗がその語りの対象としているのは実にマイノリティな人々なのであって、「日本人たるものこの本を読むべし」というような内容ではないはずである。内輪のサロンでひそやかにささやかれている話。大衆文学というものがありましてね、英語の席捲もあっ…

日本語のほろび

とある知り合いに先日翻訳をたのまれた。あるとても特殊な酵母種の実験法に関するプロトコールが日本語にしか存在しないとのことで、すでに退官された元教授のかたから送られたそのプロトコールを英語に翻訳してくれと頼まれたのである。お安い御用で、とい…

10月31日

かぼちゃの語源は”カンボジア”なのだそうだが、スペイン語でかぼちゃのことをCalabaza(カラバッサ)というのだそうである。カタカナで書くとまったく違うが、実際にスペイン人が発音すると、カボチャ、と聞こえなくもない。スペイン語でも語源はやはりカン…