2009-01-01から1年間の記事一覧

廃墟の中で

子供だった男の子のころ町の中にある誰も住んでいない家に入り込んで探検したこと。廃墟の中には空になった一升瓶、布団のない掘りごたつ、死人のような枕の中身、ものすごく汚い金かくし、使い古されてぎざぎざになった箒。畳が上げられてむき出しになった…

近況 

昨日は聖マルチンの日という子供のためのランタンぶらさげて練り歩く日。聖マルチンは、自分も貧乏人なのに他の貧乏人に施したというヒーローなのだそうだ。無珍先生もランタンを持たされて(5秒ぐらいしかもてなかった)、パレード参加。フランスではこの行…

文明の終焉 「原理主義」との闘いの始まり テッサ・モーリスー鈴木 『世界』1995年5月号 最近の学問の世界で最も予期出来なかったことに、文明論の復権があります。文明論とは一九世紀ヨーロッパ思想の基層概念を成すものでした。文明の興亡こそ、西欧諸帝国…

秋葉原 20080608・20090927

東京・秋葉原で無差別殺人の起きた昨年6月8日。実行犯であったKが一人の警官に追い詰められ対峙した様子はとおりすがりの人間によってビデオ撮影された。少なからず事件に関心をもった私もまた、そのビデオを眺めた。歩道もないビルの間の四角い回廊で繰り広…

日本で英語を喋りながら車に近づき、運転席に入ろうとすると自動的に体は車の左側に向かってしまう。扉をあけようとするとハンドルがないので、反対側に苦笑しながらぐるっとまわって右側のドアを開ける。日本語を喋りながらだったらこんなことはまずない。…

続・ノルウェー

ノルウェーの滞在先のホストマザーの家には、死んだ私の彼女も訪れている。94年のことで、留学中の妹に会いにノルウェーを訪れた。お礼状をかねた彼女の95年の年賀状がキッチンの壁に飾られていた。幾種類かの模様の和紙で縁取った手作りのA4サイズのカー…

ノルウェー

息子のデイケアが二週間ほど改築のため休みになる、とのことで二週間ぶっつづけで家にいるのもな、と思ってオスロの知人のところに行った。知人といっても実ははじめて会う人で、義理の妹が高校時代、一年ホームステイしていた先のホストマザーである。ホス…

おまけ googleでみる反日勢力図

反日 の検索結果 約 2,750,000 件反日 に一致する中国語(簡体)のページ 約 599,000件 反日 に一致する中国語(繁体)のページ 約 91,500 件反日 に一致する日本語のページ 約 1,970,000 件反日 韓国 に一致する日本語のページ 約 1,230,000 件 反日 中国 …

承前「反日上等」

"記号化によって自ら否定してる物に実体を与えてる"けだし名言。はてなブックマーク界隈におけるの鼻つまみ者と目される、Midas氏のメタブコメントである。名言続出の大蟻食ブログー難破船周辺でもうひとつの名言が生じたのは必然である。しかしながら「反日…

近況 仕事のスタイルがすごく変ってしまった。激変である。 ケータイをポケットにいれたまま洗濯してしまった。いままで燃したことと川に投げ捨てたことはあるのだが、かようなるウッカリははじめてなので情けない。デシケータで低圧下にしばらく放置する予…

法的脳死判定後の長期脳死の事例

再び森岡さん経由。これはヒドい。 下記、富岡議員は外科医師から長崎県会議員、のちに衆議院議員になった人間である。その富岡議員の7月7日午後の発言。 富岡勉衆議院議員委員の御指摘のとおりだと思います。すなわち、小児について、脳死状態であっても、…

まるごと死んでゆく

長期脳死、本人の意思表示@参議院での発言(森岡正博さん) http://d.hatena.ne.jp/kanjinai/20090708/1247014793 ここから、私の個人的な見解、といいましょうか、思想、哲学になるのですが、 こどもたちには、自分の身体の全体性を保ったまま、 外部から…

某所にある社会保険局にいって彼女の死亡届をした。国民年金をマジメに払っていた人だったので、どのぐらい還付されるのかな、と思っていたのだが、300万円これまで払っていて、遺族に支払われるのは死亡一時金なる12万円である。のこりの288万円はそのまま…

昨夜保土ヶ谷バイパスを夜の9時ごろ運転していた。制限速度は時速80キロなのだが、時速80キロで走っている車はほぼ皆無であり、110キロ程度の速度が標準であった。中にはおそらく130キロと思われる速度で一番右の追い越し車線を走っていく車が何台もあった。…

突然ですが、オープン飲み会を今晩やります。 日本を旅行しているドイツ人の知人が東京で遊んでくれというので、子育てで出不精になっているのでよい機会でもあり、今回日本で初の飲み会をすることに。さらについでなんでオープン参加にすることにしました。…

連絡

3月以来、いろいろな方からお悔やみのメールをたくさんいただいているのですが、なんというかどうも返事がかけてません。どれも心のこもったものばかりなので、ひとつづつお返事をしようと思ってきたのだけれど、ぼけっとしているあいだにずいぶん時間がたっ…

男の育児参加

引用。 ええと…何が言いたいのかというと。 「男性の育児参加を!」 と言いながら、子供とか赤ちゃん関連の施設やサービスが、母性だだ漏れすぎて、男性が敬遠するのでは?と思う。 もちろん子供が喜ぶようなおもちゃとか、歌とかは必要ですが、あまりにもオ…

ムカシのネット

90年代半ばのネットってまだまだ好事家の対象であって、存在自体が無国籍的、なおかつアナーキーだった。その流れの中でたとえばDer Angriffとか宮崎学といった存在がでてきたわけで、詳しい説明を省くが*1語りのスタイルの属性としてはオウム的、サブカルそ…

1996年頃

院生のころネットに載せたおちゃらけ文章が出てきたんで掲載。 ロング・インタビュー - なぜ、三浦氏はシャツを燃したのか。 インタビューアー・冬木 - F:シャツを燃すのが趣味なわけ?M:いや、そーゆーわけじゃないんだけど。あのときはたまたま。というか…

沈黙と拒否

神経内科の友達の強力な勧めで大学病院のカウンセラーのところに時々いっている。あの有名なフロイトの長いすがあるわけではないのだが、川を見渡すことのできる気持ちのいい部屋で、すわり心地のいい椅子に座って一時間ほどおしゃべりをする。別れ、離別に…

葬式について

一人の人間が死んだことを確認するためには儀式的な社会行為が必要であると知ったのはたぶんとても若い山仲間の友人が死んだときである。雪崩の中で窒息死した後輩の葬式。それまでは、葬式、あー、キッチュ、だった。確かに。くだらねえ、葬式。おれはあい…

彼女が死んだ。

一ヶ月の間一緒に住んだ。二ヶ月の間、病院で過ごした。短い結婚生活が終わった。 脳幹の梗塞、ということで一度医師団に見放された後に奇跡的に復活したという話はここに書いた。その後の脳の機能回復は私からみるかぎりかなり目覚しく、瞬きを使ってどの曲…

合成音声

大学の脳神経外科緊急外来の病室に日参し、夜は赤ん坊の世話をしている。”最小意識状態”の彼女は臓器にさまざまな問題が発生し、なかなかリハビリ病院にうつることができないでいる。日中は彼女の健康保険会社が払ってくれるお金で来ているお手伝いさんが掃…

The Formula of the End In Itself

めずらしく雪の積もった街を急ぎ足で歩く。 彼女と7年間一緒に暮らし、寝ていたネコが死んだときいたのは、どうしょうもなく忙殺されていたそのさなかだった。私も好きな黒くて、足の先が靴下を履いたように白い小さなネコだった。すこしだけ忙しくなくなっ…

近況

彼女の説得工作に見事に負けて私は11月下旬に結婚し、12月中旬にその彼女は私の家にやってきた。一緒に暮らすのも楽しいなあ、と思い始めた1月下旬に子供が産まれ、その5日後にくも膜下出血で産院から神経外科に緊急入院した。2週間後の今、5日前に確実に脳…

近況

私の子供を産んだ人は今危篤にある。クモ膜下出血発症後、なんどか軽微な血管れん縮(vaso spasms)を起こしたが、11日目にして右脳全体にわたるれん縮が起こり、大きな浮腫もみられる。脳圧が高まって薬学的な対応が不可能になったので、減圧開頭法なる過激…

近況

先週から人の親になった。親になった気分に戸惑う間もなく、私の子供を産んだ人が産んだ数日後に蜘蛛膜下出血で意識不明になり、ICU送りになった。異常を発見し、医師を呼び、救急車で搬送される人事不肖の人を見送り、タクシーを待って茫然としているときに…

白リンが皮膚に付着したときにおこること

白リン弾の人体に対する影響に関して、白リンの酸化反応で生じる煙がほぼ無害である、という記述ばかりが日本語では目立つ。2005年にファルージャで米軍が白リン弾を利用したときに、それが化学兵器か焼夷兵器か、はたまた単なる煙幕弾なのか、ということで…

http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/middle_east/article5447590.ece

近況

家の前にある川が凍結しているのを初めて見た。近くのパブの壁にぶらさがっている古ぼけた1930年代の写真には、川が凍って人々がスケートをしているところが写っているが、こんな風になってもおかしくない。今晩の気温はマイナス14度まで下がるとか。日本で…