scientific community

科学技術基本計画、8年経った。

以下、理系白書ブログの記事。 総合科学技術会議が主導した第二期科学技術基本計画は、一部の方はご存知のとおり、重点分野を4件指定して、そこに金を集中投資しようというものです。 基礎研究も大切だ、ということは強調されていますが、実際には基礎研究…

 ポスドク一万人冬の時代関連。

しかし、科学/技術研究はそんな華やかな場面より、地道な作業が非常に多い。ベンチャーを起こし、研究もできるようなスーパースターは一握りの人々である。その一握りの人々を増やすために、多くの博士、ポスドクを増やすならば、科学/技術関連の職業の底…

発見秘話

仕事とはほとんど関係がないのだが、とある事情で細胞内小器官発見の歴史についてちょっと調べていて結構おもしろかった。ゴルジ体とか小胞体の発見の話。このあたりの昔話はいままで知らなかったのだがノーベル賞のサイトが充実している。ゴルジ体を発見し…

理系白書ブログ

なるものを見つけたのでご報告。理系白書というと、目下大変動中の理系アカデミズムの問題などをかなりちゃんとフォローしている毎日の連載で、視点が国の側にスイングしてしまうこともあるものの、いろいろな問題を掘り下げているのでほかの大手メディアの…

 身長1メートルの原人?

インドネシアのフローレス島の洞穴から一万八千年前のものと思われる原人が発掘された(ネイチャー)。身長一メートル、脳の容積は我々の三分の一だという。アウストラロピテクスの特徴と、ホモ・エレクトゥスの特徴を併せ持っており、分類に困ったらしいが…

場を作る

いくら世間のそして役人の無理解を研究者が嘆いたとて、それが良いものであり通したいと考えるならば、欠損を嘆くばかりではなく、自らが表現していかないと、コトは始まらないのである。それは、丁度、ゲノム解読がシーケンサー技術開発という道具を自らこ…

"They look like postage stamps,"

四角いバクテリア。発見されてから25年目にしてようやく培養に成功。高塩濃度で培養するとうまくいくのだそうだ。 http://www.nature.com/news/2004/041011/full/041011-3.html

重箱の隅

概要配列の解読をもって早々と終了宣言をする他国チームに対し、解読精度に拘り完全解読方針の日本チームは、その都度プロジェクト存続(税金投入)の意義が激しく糾弾された。 id:hizzz:20041011 ゲノム・ウォーズ この職人的なコダワリは日本のいいところ…

 科学技術行政のアウトソーシング

VIB(http://www.vib.be)というバイオベンチャーの社長がうちの研究所にやってきてセミナーをした。ベルギーのフランダース地方の会社で、死者累々のバイオベンチャーの中では、特に欧州内で成功した例として有名な会社である。この手のセミナーは、特許の部…

蝦蟇の油

まるっきりでたらめでもないようだ。オーストラリアのカエルのヌルヌルが膝の軟骨修復につかえるらしい。これまでにも羊の膝の治療に使われていたのだという。そもそもこのネバネバ、襲ってきたアリをトラップしてあとでそのカエル自身が食すという、なんと…

酒豪の線虫

id:sivadさんのコメントで関係論文。UCSFのマッキンタイアーのグループが猛進中。 1、 A central role of the BK potassium channel in behavioral responses to ethanol in C. elegans. 2、 Natural variation in the npr-1 gene modifies ethanol respon…

科学者の流動性とテクニシャンの固着性

大学が街の中心から郊外に引っ越すという大騒ぎになっている。60年ぶりの引越し。そんなわけで、私はー80度に凍結して保存してある細胞を引き上げなければ、と教授に電話したら薮蛇で、私も片付けに参加することになってしまった。巨大なキャビネットに…

The scientific impact of nations

by DAVID A. KING Nature 430, 311 - 316 (15 July 2004)科学業界の勢力図論文。このところEUが米国に肉薄、ってな内容。1997-2001の自然科学論文の統計 論分数(%) 被引用数 (%) USA 1,265,808(34.86) 10,850,549 (49.43) EU15 1,347,985(37.12) 8,628…

海の酸性化

人間の活動が放出した二酸化炭素のうち半分は海が吸収しているということがわかったのだとか。船に乗って海のあちらこちら、一万箇所からのサンプリングっていうから、気の遠くなるような作業。私はすっかり熱帯雨林が二酸化炭素を消費しているものと思って…

 是非推進して欲しい。

科学技術白書 科学者・技術者へ要望国民との交流を活発に また、最近のユニークな事例として、科学者等と国民が一緒に議論できる公開講話の場「カフェ・シアンティフィック(Cafe Scientifique)」をコラムで取り上げている。カフェ、バー、書店などで科学者…

対価請求

発明対価、10億円支払い求め訴訟 デンソー元社員というわけで、このところの日本における発明者の対価請求訴訟がもう一件。こうした訴訟は味の素や東芝でもおきているが、これからも頻発していくだろう。訴訟額自体はナカムラ教授が勝ち取った200億円に…

危険分子判定法

研究者のパブリケーションレコードから、「生物兵器を開発しているかしていないか」を判定する手法が開発された。(ネイチャーアップデート)査察だけではわからないが、出版された論文を解析するとわかる、ということらしい。「危険分子」判定法なんだけど…

 米国科学は衰退するか。

田中宇さん・世界から人材を集めなくなったアメリカ LINK これはずいぶん前から、ネイチャーやサイエンスのネタになっていたが、このとことろ米国の一般メディアでも警鐘をならす、という文調で話題になりはじめた。つい最近にもヘラルドトリビューンで記事…

 911:伏字の推定

2001年9月11日のWTCテロをめぐる4月の米政権担当者喚問で公開されたブッシュ宛てのメモには、黒塗りで公開されなかった部分があるのだが、ダブリン大学の学生が、この黒塗り部分を推定した、という記事。この院生の暗号化技術の指導教官がボケッとテ…

オヤジに似ている男がいいか?

女性は父親に似ている男を配偶者に選ぶ、という調査結果。調査方法は以下のとおり。26の養子を持つ家族の写真を用意する。一方で、4枚の男の写真を用意し、そのうち一枚は本当の養子の配偶者。 この4枚から1.養子(女) 2.養子の父親 3.養子の母親と…

崩れ落ちる富士山

富士山の幅が南北方向に1センチ縮んだ、そうである。データは次の二点である。まず産総研によれば、 南北17キロ離れている観測点間が約1センチ短くなっていた。東西に14キロ離れている観測点間はほとんど変化がなく、南北方向に力を受けていることが示…

  サイエンス誌も注目 「日本独自の発信」活発化

これはよいこと。分野によっては日本語でやっちゃってもかまわんと思うのだが。自然科学の論文は絶対的な評価がありえる、と私は思っている。おもしろい論文は別の分野でも、おお、すげえ、と感心する。のだが、欧米の戦略を見ていると、特定のトピックに集…

英国も”科学技術立国”。財務省の10年計画。 Science & Innovation: A consultation document on Working towards a 10-year investment frameworkあれだけうまく予算が流れているのに、それでも「うまくいっていない」っていうんだからなあ。White heat ― at…

 ネイチャー雑記

UCLAに献体された死体が、横流しされてバイテク企業に売られていた。ネイチャーニュース。大学のスタッフと、業者が逮捕された。死体の販売は米国で禁じられているが、梱包と輸送の手数料で利益をあげていた。業者は悪いことをしている、と思わず、世の中の…

 人毛サボテン

サボテンに人間の遺伝子を導入して、人間の毛を生やす、というアートワーク。ニューサイエンティストより。最初冗談かと思った。アデランスみたいに、植毛したんじゃないのー、と思ったらそんなまやかしでなくて、どうやら本物らしい。サイトを調べたら、作…

 ネイチャーアップデートいくつか。

テレパシーが存在するか否か、という公開討論が1月15日に200人の聴衆を前にロンドンで行われた。発生生物学者の有名人で、発生における位置情報の存在を提唱した権威、ルイス・ウォルパートと、形態形成場は時空を越える、と20年前から提唱しているルパート…

いずれはこうなることはわかっていたのだが、遺伝子スクリーニング、解析、推論、次の実験の計画、スクリーニング・・・を行うロボットが発表された。ゲノムプロジェクトの進展と共に、遺伝子はわかっているが、機能がわからない、という蛋白質がぞろぞろ出…

ハンス・ショーラーがドイツに戻ってくることになった(フランクフルター・アレゲマイネ。)。ショーラーはES細胞を使った生殖細胞誘導研究の最先端を走っており、現在はペン大にいる。マックスプランク研究所のディレクターに任命されたとのことなので、か…

環境を大切に、と対談で主張していた大学教授が、帰りのバス停で見かけたときにはタバコを投げ捨てにしていたというダブルスタンダードの話をしていたのは確か森岡正博だったが、その拡大バージョン。地球温暖化阻止の議論をするたびに地球がますます温暖化…

テキサステックの微生物学研究者、トーマス・バトラーが、ペスト菌をその詳細を但し書きをせずにタンザニアに送付した、との咎で有罪判決[ネイチャーアップデート]。査察の結果、製薬会社から裏金をもらっていた、などなど、郵送さえ発覚しなければでてこな…