ハンス・ショーラーがドイツに戻ってくることになった(フランクフルター・アレゲマイネ。)。ショーラーはES細胞を使った生殖細胞誘導研究の最先端を走っており、現在はペン大にいる。マックスプランク研究所のディレクターに任命されたとのことなので、かなり好条件ではある。とはいえ、今のショーラーの立場を考えれば、ドイツへの異動は、なんでわざわざ、ということになる。米国から戻ってくる理由は、ブッシュ政権下になってから、ES細胞研究を進める上で、研究費の打ち止めなどさまざまな障害が目立ち始めたことが背後にある。なにしろブッシュ・ジュニアはガチガチのファンダメンタリストES細胞のかくなる生殖細胞の研究を支持するはずがない。一種の政治的理由による、頭脳逆流、とみてよい。これは生物関係の業界ではかなりの大ニュースである。