アメリカン・エンタープライズ・インスティチュート主催2005年10月25、26日の東京におけるミーティングに関して。

きっこの日記とか、森田実さんとかが、「アメリカは日本を中国と戦争させようとしている」という話を書いていて気になっていた。

2005年10月25日、26日、ブッシュの支持基盤であるネオコン派の政治家、知識人が集まるワシントンの政策研究所、AEI・アメリカン・エンタープライズ・インスティテュートが主催して、日本の国会議事堂裏のホテル、キャピトル東急で、「政策研究集会」が開かれた。テーマは、「日本と中国を、どのようにして戦争に突入させるか、そのプラン作り」である。
参加者はAEI所長クリストファー・デムス、次期総理・安倍晋三、鶴岡公ニ(外務省、総合外交政策局審議官)、山口昇(防衛庁防衛研究所副所長、陸将補)、民主党・前党首・前原誠司、その他自民、民主の複数の議員。テーマは「有事、戦争に、どう対処するか」では無く、「中国と日本を、どのようにして戦争に持って行くか」である。
きっこの日記

以下、副島発言を引用する。少し長いが、重要な指摘なのでお許しいただきたい。
 《アメリカン・エンタープライズ・インスティチュート(AEI)というワシントンにある主要なシンクタンクがあります。これが「ジャパン・ハンドラーズ」即ち日本を意のままに操るためのアメリカの人材養成の本山の一つなんです。いわゆる凶暴なネオコン派の牙城です。
 平成17年(2005)の10月25日と26日に、そこの所長のクリストファー・デムス(Christopher Demuth)以下、日本側からは安倍普三、民主党前党首の前原誠司、外務省の鶴岡公二総合外交政策局審議官、防衛庁の山口昇防衛研究所副所長(陸将補)、それから元ワシントン公使の阿川尚之と、今のアメリカから大事に育成されている者たちが国会議事堂の裏のホテルのキャピトル東急に集まっています。ジャパン・ハンドラーズと日本側受け皿人間(カウンターパート)の一大結集でした。
 私はその会の出席者リストも持っています。小泉内閣の組閣がそのあとすぐの10月31日でしたから、日付からいって、そこで重大なことが話し合われたのは明らかです。
森田実の時代を切る

すげーな、とか思っていたのだが、アメリカの研究所だったらミーティングの報告を出しているだろうと思っていたので、今日夜中に帰ってから時間があったので探したらあった。
http://www.aei.org/events/eventID.1157,filter.all/event_detail.asp
Transforming the U.S.-Japanese Alliance
Toward Increased Defense Cooperation and Integration
500ページ近いトランスクリプトのPDFをダウンロードすることができる(私はヘボルーターがクラッシュした。こんなことがあるんだな。ご注意を。)。とてもではないが全部読めないので前半200ページ、最後の50ページぐらいを一時間ほどざらっと読んだ。*1これ以上読むと睡眠不足になるので、やめた。
この会議に出席していた今や首相のアベさん及びその周辺が目下着々とすすめている日本武装化計画(日本版CIAとかも)が、ここではっきり述べられていた、というのはわかるが、中国ないしは北朝鮮と戦争をするという具体的なプランは私が眺めた部分には書かれていない。米軍の世界的な編成の変更にともなって、日本はより軍備を充実させるべきだ、という米の要求に日本がいや、いろいろ都合があってなかなか進みません、とこたえる内容になっている。まあ、これだけでも上の話みたいに暗い未来を予想しないまでもオドロクベキ話ではあるんだけど。まー、それにしても米国側の要求の直截さはスゴイ。現場の雰囲気を知りたい人にはオススメ。

*1:全部読んで報告してくれる時間と体力のある愛国心溢れる受験生とかいるとありがたいのだが。勉強になるぞ。