スマトラ津波 関連していくつか

26日の朝、現地時間の7時58分に起きたスマトラ北西部の地震により発生した津波が凄まじい被害をインド洋沿岸部にもたらしている。被害の規模が凄まじい。CNNのさっきの報道(日本時間午前6時)によれば、死者あわせて2万3000人以上とのことである。スマトラで一万人以上の死者が出ているが、より長い海岸線で津波に面したはずのインド南部の詳報がない。島部はほとんど連絡がとれていないだろう。死者の規模は10万人までいくのではないか*1。凄絶を極めている。
テレビの報道ぶりを見ていると、CNNは"Asian Tsunami Disaster"との特別報道体制でほぼ他のニュースを差し置いてほぼぶっつづけで報道している。日本のテレビのほうはそれに比べると、初期の出足も鈍く(私が東京についてNHKのテレビニュースを眺めた26日日本時間19時には今のような特別な取り上げ方をしていなかった)、被害者の数が倍に倍に、と増え、なおかつ日本人の被害者が複数いるらしいことが分かってからまじめに取り上げ始めていた。この対応の違いは、一つにはニュース性に対する明敏さと鈍感さ、という違いなのかもしれないが、一方では自然の脅威に対する文化的な違い、とも思えてしまう。
日本は地震津波、火山、台風とやたらに自然災害の多い国なので、自然の脅威に対してどちらかというと諦めの感情で対応する、とよくいわれたりする。一方で欧米は自然災害に対して怒りの感情で対応する、などともいわれる。確かにCNNを眺めていると、キャスターの表情や口調は、テロを糾弾しているときと同じく、なんでこんなことになったんだ、と専門家を糾弾するがごとき様相で質問をする。インド洋には津波警報システムがないんだ、津波が起こることがわかっていても警報をだすことができない、との説明を聞いて、キャスターたちはなにやら憤懣やるかたない様子で納得している。日本のほうはどちらかといえば、”仕方がない”という様子、台風の被害の際に泣き叫ぶよりも先にまずは片付けなくては、と(私もたぶん考えると思う)いった感じである。ちなみに、CNNが大々的に番組内で使っていた今回の津波のシュミレーションは、日本の産総研の自然被害予測の研究者が行ったもの(リンク:GIFアニメ)である。すごい仕事だと思うが、CNNはまともにクレジットしていなかった。

*1:追記 "インドネシア・スマトラ島沖地震の被害はさらに拡大し、国際赤十字社の集計で死者の数は約2万4000人、被災者は数百万人に及ぶとみられる。死者はインドネシアだけで2万5000人に達する恐れがあり、震源地に近いインド領アンダマン・ニコバル諸島では「3万人が行方不明」との情報もある。死者は7万人に達する可能性も出てきた。 (12/28 12:22)"