アチェ州・救援状況について。

社会基盤の破壊と燃料不足が救助活動にブレーキをかけている。三十一日までに、医薬品や食糧を積んだ米国や台湾、オーストラリアや韓国の輸送機が州都の空港に到着したが、空港で物資が滞留する状況が指摘されている。
産経新聞 - 1月1日4時58分 *1

死体を簡単に布でくるんでそのまま大量に埋葬している。身元確認が済んだものからなのだろうか。テレビの電話インタビューで必要なものを聞かれて、マスクと答えている女性がいた。死体の悪臭を避けるためだという。今日は州都のバンダアチェで大きな火事があったがもちろん消火する機材はない。援助物資はバンダアチェまでも車で5時間以上かかるメダンでかなり停滞しているようだ。現地の国軍と警察もかなりダメージを受けている上に、まだ外国の援助を直接アチェに入れることに躊躇している様子だ。
インドネシア・アチェの状況
id:kenken31さん

■援助物資の輸送進まず
 国軍は二十九日までにバンダアチェ周辺に放置されていた遺体約二千五百体を埋葬したと発表した。しかし、バンダアチェでは地震津波発生から五日が経過した三十日も一部を除いて遺体の回収や、がれきの撤去が進んでおらず、強烈な腐臭が充満。
 被災地へ向かう乗用車やガソリンが大幅に不足している影響で、援助物資がほとんど行き渡っておらず、日を追うごとに食糧不足と衛生状態の悪化が深刻になっている。
■下痢など伝染病が発生
 市街地の八割が壊滅状態となったムラボには、救援物資を積んだ輸送船やヘリが到着し始め、輸送ルート確保に向けた工事が懸命に進められている。しかし、飲料水、医薬品の不足が顕著となっており、避難民の間で下痢、皮膚病といった伝染病が発生し始めた。
アチェの死者8万人に
04年12月31日付 ジャカルタ新聞 *2

かくなる悲惨な状況に輪をかけているのが、紛争地域であることによる国軍の介入である。

2004年12月31日更新
●つづく軍の検問
現在まで収容できた遺体は、やっと40%である。アチェに入っている物資は人手不足のため配給できず、そのため多くがインドネシア国軍兵士に売買されている。それに加えて、31日にはもっとも被害の甚大なムラボーに行くボランティアに対する軍の検問までおこなわれた。ボランティア、とくに海外からのボランティアが、こうしてアチェに入るのが困難になっている。(FPDRA, 04/12/31)
●軍による援助への「妨害」
メダンとバンダ・アチェからの情報によると、現在、数千トンの援助物資がメダンのポロニア空港、バンダ・アチェのスルタン・イスカンダル・ムダ空港に積まれている。われわれのボランティアが輸送手段を準備し、メダン空港からの配給を手伝おうとしたが、インドネシア国軍はそれを許さなかった。被災者の手に届くかわからないという理由だったため、担当官が同行することを提案したが、やはり拒否された。アチェ空港でも同様の理由で拒否されたうえ、ボランティアが運ぶためには、その物資を送った機関からの委任状が必要だと言われた。しかしアチェに、どうやって手紙を送るのか? また遺体の収容が遅れている。現在もっとも必要とされているのは、遺体収容のための道具である。国際社会に支援を求めたい。 (Posko, 04/12/31)
スマトラ島沖地震:アチェの被災情報

*1:id:paraphilian:20050101経由。

*2:id:paraphilian:20050101経由。