ぬか奴隷

ついにぬか漬けをはじめてしまった。前回日本に帰ったときに野田ホーローの容器もしっかり購入し、せっかくだからオリーブのぬか漬け、とかパルミジャーノのぬか漬け、ないしはハモンセラーノのぬか漬け、とか日本ではありえんものに挑戦しようと思っている。白アスパラとかもすごいかもなあ。
かねてよりの念願ではあったのだが、いざはじめると日々糠をこねることが必要になる。冷蔵庫で培養することになるので、常温とちがって二三日放置しても問題ないそうであるが、一週間以上の旅行にでることは難しくなる。あるいは不在の間、人に糠の世話を頼まねばならぬので、ネコを飼っているのと同じ状況になる。作戦としてはネコと同様にその素晴らしさを事前に友人一同にひろめておくことである。まず食べさせて感動させ、その威力をしらしめてのちに、味をしらなければなんじゃこりゃ、というぬとぬとの糠床をうやうやしく披露し、この培地は生きている、私が不在の折にはキミもこの東洋の神秘を世話をすることができるよ、と威光を与えるのだ。これで(おそらく)ぬかの僕、ぬか奴隷の負担を少々分散させることが可能になる・・・だろうと思われるのはもちろん私がオプティミストだからだけど。なにしろまだ”捨て漬け”段階であって糠床自体ができていないのである。