赤ん坊

大学のほうの友達の研究者が、研究所まで遊びによくくることがあって、最近は生まれたばかりの赤ん坊をよく連れてきていた。そうすると、うちのオフィスに乳母車を入れて(サイズ的に乳母車ぐらいだったら十分入る)、私が仕事をしている間、赤ん坊がそこですぴゃあっと寝ている。友達のほうはあっちこっち別の知り合いのところにいったりお茶飲んだりしている。赤ん坊がいるからといって私は別になにもしないし、(あひゃあ、ふわふわのお肌、とか思ってさわったりはするけれど)泣いたら泣いたで、あちゃあ、とか思って乳母車を伸ばした片足でゆらゆらゆすったりしている。親である友人はときどき様子を見にきて、ミルクをやったりする。

貧乏な社会で子を産むな@404 Blog Not Found

はたと考えてみると、日本の大学なり研究機関でこんなことってあるのだろうか、と思う。まわりを眺めても、どうしても都合が取れないときにはその親の赤ん坊が寝てたり、小さい子供が半日親のオフィスでうろうろしていたりすることもある。日常的な話なのであまり気にならない。というよりも、成長の過程を眺められるのが結構な楽しみだったりもする。今の日本の大学や研究機関のこのあたりの雰囲気、よくわからないのだが、12年前の日本では少なくとも子供がうろうろするような雰囲気はなかったと思う。命を懸けている研究の現場に子供をつれてくるなんて、とはいわないが、考えもつかないという感じだったように思う。そもそも、子供がいるなんて危険です、とか問題になりそうである。とまあ、こんな風なことレポートすると意外かもしれない。公私の分別がはっきりしているというのがおそらく日本における欧州に対するイメージだから。でもこのような状況に関しては、日本の方がはるかに厳格である。生物学的な人生を排除する場として仕事が設定されている。

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http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20070208#p1