スーパースロウDrコース

スーパーDrコース:北陸先端科学技術大学院大が新設へ
大学院を迅速に終えることができる、というのは確かにメリットがあるだろう。分野によってはひらめきと勢いで通常の研究者をはるかに凌駕するような結果をだすことも可能だから。数学とか情報科学なんてそうだろうなあ。とはいってもゆっくりやったほうが面白い研究がでてくる可能性がある分野もいろいろある。私自身が8年間博士課程の院生だったからいうわけではないのだが(いやそれもあるかな)、徒手空拳の院生を息長く続けることができるかどうかもまた能力ではないか。たとえば、教授に与えられた”確実に結果がでる”テーマで博士課程やるのだとしたらまあ、速くてエライ、であたりまえ。一方で”テーマ自体を設定する”ないしは”系を立ち上げる”といった仕事だったら速くやるよりきっちりとあせらずに長時間かけてやったほうが50年ぐらいのスパンで研究を眺めたときにはその人にとって大きな意味があるし、そもそも科学のためですな。しかもこれはできる人とできない人がいる。というわけで「速くやるのがエライ」という新幹線な発想で特にサポートするだけではなく、長時間テーマを継続できる人も特にサポートします、ということにしたどうだろう。あるいは本格的な実験科学なんてねばりづよさがほとんどその要諦なんだから、それができる人をないがしろにするのはいろいろな能力のありかたを切り捨てることになるんじゃないの、と目下実験を離れて計算ばかりしている私は思ったりする。