Oliviera

ニースに滞在中3度も通ったレストラン「Oliviera」のウェブサイトが新装開店になって写真や記事が豊富になった。そんなわけであの極上のオリーブオイルのことを思い出したりしていた。南フランスの人間にとってオリーブオイルは日本人にとっての昆布に似ているのではないかと思ったりする。というのも、産地によって違うオリーブオイルの香り、味わい、舌触りをそれにフィットした料理に生かすセンスは、昆布のうまみの強さを見切って産地を選ぶ和食にどことなく共通しているからである。
Olivieraのメニューで忘れられないのは、牛赤身のタルタルに焼き茄子の冷製が添えられ、たっぷりと Aix en Provence AOCが注がれた一品だった。えー、こんなにオリーブオイル、とソースのようにふんだんに注がれた状況にちょっと身を引きかけたが、赤・白・黄色の鮮やかな彩りに気を取り直して口に運ぶと、塩コショウなどの調味料は一切使っていないのにもかかわらず、生肉の重たさ、茄子の涼しさをオリーブオイルが見事にブリッジし、軽やなのに奥深い味わいが口の中に広がる。

Oliviera: http://www.oliviera.com/