メランザーネ・イ・モルツォレッラ

というわけで憤懣やるかたないときには包丁を握る手にいっそうの力がこもるのであった。メランザーネ・イ・モルツォレッラ。モルツォレッラのナスはさみ焼きである。南イタリアの料理。研究所にいるスペイン人の女の子と、ナスを使った料理について話していたときに、マドリッドにも似たような料理がある、という話をしていた。挟むのがモルツォレッラではないらしい。今度料理交換することになっているので、そのあかつきにはイタリアとスペインの相違性を考察することができるはずなのだが、以下はこれまでにも何度も作ってきたイタリアバージョン。
米ナスを輪切りにして卵と小麦粉で衣をつけ、フライパンに薄く満たしたオリーブオイルで両面を揚げる。この揚げナス二枚の間に厚めのモルツォレッラを挟む。このサンドイッチをオーブン皿に並べ、おのおのの上からニンニク・チェリートマト・バジルをさっと炒めて作ったトマトソースをかけて、オーブンで10分ほど焼いて出来上がり。見た目の美しさもさることながら、揚げナスのさくさく&ぬとっとした食感及びほのかな苦味、モルツォレッラのやわらかい滋味とオーブンで焼いたときのしこしことした食感にトマトソースの酸味があいまって、どわー、芸術的ー、という複雑な味になる。当然くだらん憤懣はどこえやら。ちょっと手間がかかるのだが、たいしたことはない。日曜の夜とか時間のあるときに是非オススメ。白ワインがとても合う。