モーメント・マグニチュード?

一般に報道されている米国地質調査所(USGS)による地震規模の推定によればマグニチュード9とのこと。理系白書ブログの方で、モーメントマグニチュードという言葉を知ったので、ウィキペディアを見てみたら、普通のマグニチュードだと、8以上ではスケールが頭打ちになっているので、事実上8か9かの違いは意味がない、ということだと書いてある。モーメントマグニチュードの定義を半ば自分のために引用しておく。

* モーメント・マグニチュード Mw
金森博雄(1977)は、地震を起こす断層運動のモーメント(Mo)を、従来のマグニチュードに関連づけ、これをモーメント・マグニチュードとした。
Mw = (log Mo - 9.1 ) / 1.5
ただし Mo = μ×D×S
Sは震源断層面積、Dは平均変位量、μは剛性率である。
モーメント・マグニチュードの最大値は、1960年のチリ地震で、Mw=9.5 であった。
ウィキペディア・”マグニチュード”

なんで頭打ちになるのかなあ、と思ったら、測定機器が原因だ、とのこと。

 なお,2.2節で示すように,大きな地震になるほど,そこから放出される地震波の卓越周期(もっとも優勢な揺れ方の周期)は長くなる性質があります.一方,9.1節で示すように,地震計は自分自身の固有周期(振子を自然に1回振らせたときの所要時間)よりもゆっくりとした地面の揺れに対しては感度が鈍るという特性をもっているため,個々の地震計は,その周波数特性の限界によって,長周期の地震波を十分に記録できず,大きな地震に対するマグニチュードを正確に見積もれなくなります.
 このため,短周期地震計を用いて見積もる「実体波マグニチュード」(mB:周期数秒の地震波を用いる)や,長周期地震計を用いて見積もる「表面波マグニチュード」(Ms:周期20〜30秒の地震波を用いる)は,巨大な地震に対して “マグニチュードの頭打ち” という問題が生じます.
 最近では,このような飽和の心配がない「モーメント・マグニチュード」(Mw)が使用されるようになってきました.「モーメント・マグニチュード」は,震源で生じた断層運動の強さに基づいて定義されており,断層面の面積と岩盤の食い違い量との積という,はっきりとした物理的意味を有しています(2.2節参照).

防災研のページより。
http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/sec1.2.htm