愛国心

愛国心(または国という枠組みへの帰属感)反応集

愛国心、ときくと私にはさまざまな感情がこみ上げる。押し付けられる愛国心にはだから、違和感を感じずにいられない。

私はドイツに愛国心を抱いているだろうか?8年住んだこの地とこの国に、憎悪も含めた愛おしさを私はごまかすことはできないと思う。でも私はまた日本という土地と、日本という国に愛着を感じる。でもなお、国なんてなければいいのに、とつぶやく私もまたいるのだった。
私はアメリカが大嫌いだった。3年間思春期を過ごして、心の底から憎悪した。日本を夢に見るまでにすばらしい国だと思っていた。でも帰国したら、アメリカよりもなおも最悪な国かもしれない、と私は認識を新たにした。かくして私の居場所は失われかけたが、私が信頼する友人は、アメリカにもドイツにも日本にも、いや、住んだ場所だけではなく、友人は世界中に散らばっている。私は、友人がいるその場所を、私が帰る場所だ、と信じて疑わないようになった。
15年ぶりに訪れたアメリカの隣人は、あの典型的なアメリカの住宅のバルコニーで、15年前と同じようにドアの脇の小さないすに座っていた。私が近づくと、ゆっくりと立ち上がりーさすがにその速度は衰えを感じさせずにはいられなかったがー片手を挙げて、15年前と同じように、やあ、家に入りなさい、といった。”Wanna Coke?"とそのかつての隣人は、あの15年前と同じ様子で私に聞いた。その瞬間、もはやコカコーラなぞ何年も飲んでいなかった私はうれしくてほとんど愕然としながら、でもかろうじて"Yeah, thanks!"と15年前と同じように答えたのだった。