履歴の導入

w_{i(t)}は単純である。時々刻々と変化する外界の刺激及び、目を閉じる・閉じないあるいは明るさを意味する。

w_{e(t)}は複雑である。なぜならば、経験が関わる部分であるからである。

例えば電子顕微鏡学者は、通常の人間には見ることができない構造を電子顕微鏡像の中に見出すことができる。はじめてそうした画像を見た人間にはランダムな点とかすかなグラデーションにしか見えない画像の中に、複雑な構造や、特定の分子・原子を見出す。これは訓練された目によってはじめて達成された解像度である。経験が構造の可視化を行う。

そこで履歴関数を導入する必要がある。履歴はw_{e(t-\tau)}すなわち過去の外部刺激に依存することとする。所与に構成される部分(たとえばおっぱいに対する特別な注意力)は後ほど導入することにする。

\frac{dw_{i(t)}}{dt}=g(w_{e(t-\tau)}I_{external}(t-\tau))

g()は、記憶と忘却の関数である。