ブルースマン

その昔大阪の某街の飲み屋ブロックに住んでいたころ、午前様になるとうろうろとあちこちの店にギターをぶらさげて顔を出し日銭を稼ぐブルースオヤジがいた。半径500メートルぐらいのその場末の飲み屋街ではかなりの有名人。髪がぼさぼさ伸びていて、ものすごくブルースはうまいのだが、長年の不摂生で、歯がボロボロだった。ブルースマン、かくあるべし、という感じである。
昨夕の組手の時に師匠の猿臂が顎に下方向からガキっと見事に入ってしまって、前歯上下が少し欠けてしまった。当たったときに口の中ですごい音がしたのでうわー、欠けた、と思った。舌でさわると断面がざらざら。鏡を見るまでこれでオレもあのブルースマンみたいな歯欠けオヤジかあ、とファックトアップやね、などと家に帰る道すがら少々悲哀の趣。でもうまく水平に欠けたんであんまり目立たないのが幸い。