若輩の騒動師たち

今日は西成署に花火を打ち込む若者もかなりいたようだ。上で「野宿者に投げていた石をこの2〜3日だけ機動隊に投げていただけかもしれない」と書いているが、それを見ていると、よくある野宿者への花火の打ち込み襲撃を思い出さざるをえなかった。
つまり、共闘か襲撃かは紙一重でありうる。だからこそ、「彼らはおもしろがって便乗しているだけだ」と切り捨てるのではなく、ビラであれ何であれ語りかけるべきなのだろう。
ビラをまくと、みんな(労働者も)「くれくれ」と手を出してくる。17くらいの男の子が「何のビラ?」と聞くので、「釜ヶ崎にはじめて来た人向けに書いたビラ」と言うと、「え?釜ヶ崎って何。ここ、西成やろ?」と言っていた。ま、そんな感じだろうね。
なお、暴動初日に16歳の女子高校生が逮捕されたのに続き、きのうは17歳の配達員の少年が逮捕されている。

めったに更新しない(だろう)近況 2008年6月16日 生田武志さん
http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/thesedays13.htm

若い人が便乗参加でつぎつぎ参入、というのが2005年のフランスの若者を中心に火がついた暴動になんか似ている。先の4月にみかけたパリの中心部、常時警察と若者が対峙する北駅の様子を報告した記事を思い出した。2007年の大きな暴動以降、小競り合いが続いている。
Bustling gateway to Paris becomes the brutal frontline in a turf war
Jason Burke, The Observer,, Sunday April 20 2008
巨大な空間を占める北駅はロンドンとパリを結ぶユーロスターブリュッセルへの特急のホームが上のほうに、シャルルドゴール空港などへのホームが中層に、郊外と中心を結ぶ近郊線のホームが地下にあり、二極化する金持ち、貧者の階層の象徴になっている。そこを舞台に警察がたむろう若者がを追い掛け回している。で、警察に歯向かうエネルギーのことだけど、このエネルギーを60年代的な感じで反射的に組織化(古い言葉で言えばオルグですな)しようと考えてしまうのはどうかなあ、と思う。組織化自体が無効というか拒否の対象なのだから。逆に言えば組織化はすでに別な形でなされているのではないか。
そういえば猫屋さんが2007年3月の北駅での暴動に関して詳しく書いていた。サルコジ当選の追い風になった暴動だ。リンクする。
3月27日のパリ北駅騒動について
http://neshiki.typepad.jp/nekoyanagi/2007/03/post_b678.html
パリ北駅騒動、その後とか
http://neshiki.typepad.jp/nekoyanagi/2007/04/post_53c0.html