ボーン・アルティメイタム

2003年、2005年に続くスパイアクション映画の第三作完結編を眺めた。CIAの秘密計画で殺されそうになった秘密工作員がCIAに一人で逆襲するという内容で、まともなレビューは空中キャンプさんの方にある。第一作の”アイデンティティ”、第二作の”スパーマシー”は両方とも機中映画の小さなスクリーンで観たのだが、あらためてウィキペディアなぞよんでみたら、結構なヒットだったとのこと。
私がこのシリーズが好きなのは、ヨーロッパの都市があちらこちら出てくるところ。ナポリからミュンヘンを経由してベルリンに一気に車で北上するシーンなぞでは”ナポリからミュンヘンは12時間ぐらいかな、山越えが面倒だけどその後はベルリンまで6時間で楽勝だ”とか思いながら眺めていると(これはたしか第二作)、ちゃんと間のアルプスのあたりの風景とかが出てきたりするのでうれしくなる。第一作では、マルセイユで覚醒した主人公が電車でチューリッヒに行って、そこから車でパリ。チューリッヒからパリだったらバーゼルとおって北西だなあ、などと自分が運転した自動車道などを思い出しながら映画を眺めるわけだ。
第三作で注目したのは、イギリスの新聞社ガーディアンが最初にでてくるところ。CIAの秘密計画を暴露しかけたガーディアンの新聞記者が、主人公とコンタクトをとるやいなやウォータールーの駅でスナイパーに狙撃されて殺される、というなんともかわいそうな役なのだが、ガーディアンの本社も登場。そこでガーディアンの記者のコメントを捜してみたら、「簡単に死にすぎ!もうちょっとがんばってやつらの鼻を明かして欲しかった!(意訳)」。

Obviously, I would have preferred to see this Guardian journalist do a little more ass-kicking, or indeed any ass-kicking: an omission also sharply noted by Mr Considine himself in an interview with this paper last week. Nevertheless, he gets to show a fair bit of courage under fire. He and Bourne are shadowed by a creepy CIA surveillance spook who has already given a chilling order to "prepare rendition protocols". Huh! Bring it on! Guardian journalists aren't scared of Guantánamo.
The Bourne Ultimatum/Peter Bradshaw Friday August 17, 2007

なにを隠そう私もガーディアンのファンなので、少々うれしかった次第。ちなみに、映画監督ポール・グリーングラスは9/11関連の映画"ユナイテッド93"を撮影した人で、次の作品は同じくマット・デイモンを主役にイラク戦争を批判的な立場から撮ろうとしているとのこと。