Turku, Finland

目下このあたりで、学生院生を指導中。フィンランド人は恥ずかしがり屋で無表情なのにすごい親切なのが妙に日本人みたい。おなじく講師としてシンガポールから呼ばれた離米12年のアメリカ人と、呼ばれたのは二人だけなので一緒に夕飯、飲み。アメリカ人の人気もこの10年でがたおちだねえ、なんて話をしていた。今の政権が存続するうちはアメリカには帰らない、とかいっていた。一方でシンガポールでさかんに報道されているという安倍首相の慰安婦強制徴用否定発言などについていろいろ聞かれた。いや、たとえば日系アメリカ人を強制収容所にいれたりとかアメリカにしたっていろいろひどいことしているのだけど、というので、人権の考え方というのはこの20年で大きく変化したのにそれに対応するようなスピーチをできない首相ってのはまともではない、と答えた(いやはや、スピーチってのは重要なのである。日本国内ではどうであれ、世界ではそうなのだ)。でもアメリカがひどいのは、たとえば中学校で核兵器の使用を正当化するようなヒロシマ賛美の教科書をいまだにつかていることだよね、と私はいった。もっとも、と彼はいっていたけど、まあ、それは彼がインテリだからであって彼自身もいっていたように、アメリカのほとんどの人間にとってアメリカのそとに世界があるなんて想像さえできないのだ。まったくちがうベクトルではあるが、結果する状況は日本によく似ている。