右傾化する日本と原発

右傾化する日本、というイメージはコイズミ→アベという政権の挙動が報道されるにつれ、欧米では強まっているのだが、拍車をかけているのはサンケイ・コモリ記者のような人間と同時に、そうした歴史修正主義者の政治的プロパガンダをそのまま連呼しながら英語の新聞社サイトやブログのコメント欄におしかける連中である。たとえばさきほどたまたまみかけた次の記事のコメント欄。
Comfort Women or Sex Slaves?
これらの人間の書くことというのは、コメントをつけた記事の内容に関係なくほぼ同じ内容なので、英語だけ読む人間からながめたらあたかもどこかに組織された運動のように映る。日本は世界に対してひとつの確固たる国として存在すべし、という意識がその底には見えるのだが、この確固たる国というのが、単に世界に対立した意見を連呼すること、としか思っていないように思える。もうすこしいえば、極端な発言で日本を擁護すればするほど、日本の国としての地位が高まる、と思っているようにさえ見える。なんともナイーブなことである。
話は突然かわるのだが、先日の新潟の地震で起きた柏崎原子力発電所の火災に関連して、IAEAが申し込んだ査察を断り、それが報道されるや否やその後8月の査察を受け入れた、という報道がなされている。日本国内から見ればなにか隠したいことがあるに違いない、ということになるのだが、一般的な目でみれば、「国際的な連帯を拒否する日本」ということになり、上で述べたようなことも加えて孤立化を志向している日本、というイメージが強まっていくことになるだろう。むろん、これは外交としては破綻している。新聞記事を鵜呑みにすれば「忙しくて調査団の接待をする余裕がありません」ということだったらしいが、行動からみれば北朝鮮の核査察拒否とあまり変わりがなく受け止められる。