天木さんの新党構想

日本のイラク派兵に抗議してレバノン大使を結果として辞めた天木さん。立派な人だなと思っている。その天木さんが新党の構想を発表している。
歴史を動かす気概を持って行動を起こす ①
昨日の「左派の失敗」に関する山口二郎さんの論文にもあったけど、反権力であるがゆえに政治として成り立たないという根本的な矛盾がすでにアジェンダに明記されているんで、あちゃー、と思った。

② 政権を目指す事は最初から考えない。政権を取ろうとするからろくでもない候補者をかき集めて数の政治に堕するのだ。選挙に金がかかり腐敗や不正が生まれるのだ。支持者の声を政治に届け、政権政党の政策に一定の影響力を与えるような政党を目指す事に徹するのであればそう難しいことではない。最終的にはキャスチングボードを握れるところまでの議員を擁する政党になれば理想的である。しかし最初からそれを性急に求めるような愚は決して犯さない。

どうなのかなあ、と思う。政権をとって世の中をよくしたいけど、最初からでは無理なので、というのならわかるけど、「政権を目指す事は最初から考えない。」として、その上で支持者が増えたらいずれはね、というのはなんか腰砕けで支持があつまらないんじゃないかな。政治をするということは明らかに権力を志向するということなのである。それを忌避したらどうもダメなのである。

⑧ 最後に、いささか唐突な感がするだろうが、この政党は一つの企業体として発展させていきたい。

へー、と思った。ビジネスとしての政治。腐敗を避ける、というアジェンダ二番目に対応させていると読めなくもない。政治を行うものが政治の名を借りてビジネスを行うから腐敗するのだから、会計明朗な企業として政治を設定しあらかじめこれは金儲けの行為でもあると宣言することだろう。
アジェンダのほかの部分はとても細かい運営の話になっているのだが、このあたりはさすが元官僚だなあ、と思った。でも政治家じゃないんだよな、やっぱり。