旧データの復活苦労話

1996年に当時所持していたパワーブック(190だと思う。マックOSは7日本語版だったと記憶)で作ったクラリスワークスのスプレッドシートファイルがあって、これに古いデータの記録がかなりの量入っている。久しぶりに見る必要がでてきて、あれどこいったかな、ふんふん、などと軽い気持ちでファイルを探しはじめたのだがどこにもない。うーむ、と思ってその時分の教官に、私のフォルダーにこれこれなるタイトルのファイル、入っていませんか、といったらフロッピーがあった、とメールに添付して送ってくれた。
しかし件は落着せず、どうにもこうにも開けられない。まずはウィンドウズで開ける乱暴な努力をひとしきりした後に、こりゃダメだ、と思いOSXから開けようと努力、しかしこれまた無駄だった。
クラリスワークスはバージョン4で開発停止と相成ったしたソフトで、上に書いたようにアップルワークスがその後継ソフトとなったのであるが、後継であるはずのアップルワークスは恐るべきことに、クラリスV4のファイルしか読み込むことができず、それ以前の古いバージョンで保存したファイルは読み込むことができないのである。なんという非論理、なんという不条理、などと嘆いたものの、天を仰いで悔しがってもしょうがないのであり、クラリスワークス自体を探し出すしかないのである。なお、このファイルを作成したパワーブック自体は実家の片隅に長らく眠っているはずであり、ああ、仕事関連のラップトップは身近に保存しておかねばならないのだ、後悔先に立たず。
そんなわけで思いつくマック使いの方々に「クラリスワークス、持っていないでしょうか」なる伺いを立てたところ、スイスの某知人(使用権のことがあるから伏せるが、はてなでも書いておられるあの方です)がすぐに送ってくれた。整理のよい人がいるのだなあ、と感動しつつ感謝し、さらにマックOS9漢字トークマシンを所持している知人を探し出してインストールしてもらう。・・・エクセルの形式に保存しなおして(今思えばCSVにしておいたほうがよいか)ようやく10年前の記録が日の目を見たのだった。

そんな古いデータどうするの、と周りの人に聞かれるのだが、キミタチわかってないね、10年前のデータでもデータはデータなんです、などと言ってみるものの、そうしたことをずっと引きずっている私は今日明日のデータが、と奔走している中で妙かもしれない。でも、なのであるが、ちょうど今日知人から送られとてもよいエッセイ「成功するにはどうしたらいいか、と質問する院生ポスドク」に向けた文章に次のような一節があった。

I spent my graduate career unsuccessfully trying to discover why chromosomes care how long they are, published a paper last year that had data from my thesis in it, and am still trying to persuade my poor students and anyone else who is interested to help figure out the answer.

In Defence of Passion/ アンドリュー・ムレイ

院生時代のデータをやっと最近パブリッシュした、との結び。うれしくなる。