隙間人生

レビューアーが私の社会保障状況について質問したので、「ドイツにきてから大学にいたんで、そのときには年金が天引きになっていたけど、今や社会保障なんてありません。将来のことを考えると困ったな、と不安になりますが、日本の役所との交渉とかを考えるとあまりに面倒になってしまうので日々の生活に埋没しています」ってなことをいったら、では社会保障ないんですね、と仰天していた。なんかよくよくかんがえると、たしかに真面目に考えたほうがいいことなのだろう。これから私のように国と国の間の隙間生活を送るがゆえに保障されることなく生きていかなければいけない研究者はどんどん増えるのではないか、とも思う。フランス人の研究者も、国の外にでたら保障はないそうである。人の異動が国を簡単に跨ぐようになった昨今、一国で一生を送る、という人生を前提にした社会保障制度はもはや時代遅れなのだろうから、私のような人間はもっと提言すべきなのかもしれない。・・・と書いて思い出したが、以前科学雑誌のインタビューを受けて、社会保障の問題をコメントしたことがある。内容はちゃんと掲載されていたが、誰も責任をとらなくていい問題だから、解決されることはないんだろうなあ。