今回の中国のデモに関する欧米の報道はかなり偏っているのではないか、と思う。歴史的な文脈(教科書問題、靖国神社等)といった紋切り型の解釈に終始している。デモをしている人間の主張はたしかにそうであるが、単にそうやってデモをしたいのである、というところに紋切り型の文脈が貼り付けられている、という視点が欧米の報道にはどうも存在しない。ナチス批判と同じカタで見てしまっている。このナショナリズム分派をどんな風に名づけたらいいものか。カテゴリーとしてこうしたナショナリズムの存在を明確にすれば、欧米の報道にあるような紋切り型が少しは解消されるのではないだろうか。