本屋さんのブックカバー集、200店分を集め初出版

これ、見てみたい。実家の近くの本屋(郊外の本屋とはいってもバカにできない本揃えで、よく行っている)はブックカバーが原稿用紙の升目になっているストイックなデザインで、紀伊国屋とかの幾何学的なパターンよりいいなあ、なんて思っている。特定のブックカバーのためにわざわざその本屋を目指すことはもうないけれど、10代から20代前半にかけてはそうだった。そのころ一番好きなブックカバーは、書泉グランデの黒いブックカバーだった。なんとなく妖しげで魅力的な文章が詰まっていそうな雰囲気になるからだ、と思う。わざわざ書泉グランデで買った文庫本のブックカバーを外して自分のパスポートにそれをかけたりしていた。今でもあの黒いカバーなのかどうか私は知らない。かつては単行本も文庫本も黒いカバーだったけれど、大学を卒業する頃には文庫本は白にファンシーな絵の描かれたカバーになっていて失望したのを思い出す。
そのころの書泉グランデカバーのかかった本を昔の本棚に眺めても、今では昔のようにワクワクする気持ちになることができない。本の存在が自分のなかで随分散文的になってしまったんだな、なんて思う。
flapjackさんの方でイギリスでブックカバーをかけない、って話があったのだが、ドイツでもない。日本の文庫本には表紙がかかって、ハカマがついてさらに本屋のブックカバーがついて、と重装備な一方、ドイツの文庫本は丸裸のスッポンポンでぐしゃぐしゃと使用されている。本に対する意識がそもそもちがうんじゃないかなあ。聖書以外は本ではない、とか。
蛇足になるが、ブックカバーではないけれどミュンヘンのフーゲンドゥーベルという本屋でくれる袋が昔風のゴシック文字の文章がデザインされた袋でとても気に入っている。