海の酸性化 16日付記事に追記

MIYUさんが(コメントありがとうございます)スラッシュドットJPで同じ測定結果に関して投稿されているので、リンク。

http://slashdot.jp/article.pl?sid=04/07/17/0757257

上の記事にリンクされている15日付のネイチャーニュースによれば、二酸化炭素が海に吸収されている(産業革命以後放出した二酸化炭素の半分は無機炭素として海に蓄積されている)、というのは、放出された二酸化炭素が全て大気中に蓄積ないし循環するのではない、という点からよいニュースである反面、海洋生物に対する影響は推測が不可能である、という悪いニュースでもある、としている。

MIYUさん投稿記事から引用

NOAAによる研究概要である「 世界の海洋中の二酸化炭素インパクト」(英文)によると、研究では1990年代に世界中の海洋から集められた72,000以上の海水サンプルが分析されたそうです。研究者達は二酸化炭素の放出量が現在の計画通りに推移した場合、今世紀末には海洋の食物連鎖の基礎になっている有孔虫や円石藻などの一部の海洋生物が、殻・外骨格を形成する事が困難になる海域が広がるだろうと予測しています。これらの有機体の成長率は25%〜45%削減される可能性があり、海洋の生態系に影響するだろうと見られています。

ここで最も生態系に影響がある、とみられるのは海中のプランクトン。多くの魚がプランクトンを食べて生きているわけで、秋刀魚が食えなくなる、ぐらいではすまないかもしれない。

ちなみに私が驚いたのは次の点。

The new high quality ocean carbon measurements allow scientists to determine that over a 200-year time-scale, the land plants have released more CO2 to the atmosphere than they have taken up. Over the long-term, therefore, the ocean has been the only reservoir to consistently take up anthropogenic CO2 from the atmosphere.

http://www.noaanews.noaa.gov/stories2004/s2261.htm

過去200年のことだけを考えると、大気中の二酸化炭素を吸収していたのは、植物ではなく(植物はどちらかというと放出している)海だけ、という点。常識を覆す結果、ということ。