”自作自演説”

おそらくこれが”自作自演説”の経緯だろう、と私は思う。
一水会の木村さんの説明である。「(2)「脅迫文は日本の過激派が書いた」というデマが生まれた背景」

鈴木邦夫 今週の主張・2004年5月10日

今や2ちゃんねるがこのような形で世論だけでなく、政権担当者・警察にまで影響しているというのは、注意すべきだと思う。それだけではなくて、日本のネット一般でも、最終的には随分と”自作自演説”に傾いていた。

この傾向を推進していたのは、2ちゃんねる自身の再帰的な影響力もさることながら、日本の外で起きており、日本そのものが関わってしまっている事態に対して、それは”自作自演である”と、なんとか納得しようという、現実拒否の幼児退行にも似た自閉性が日本の社会にあるからだ、と思う。国際紛争にこのように明確な形で日本人が関与するのは久しくなかったことなのだ。だから、それが事実でありながらも、現実から解離し、妄想が亢進する。上の説は、イラクの人間が日本を見ていること、という点を指摘している。たぶんここがポイントだ。テレビを見ている日本の人間は、自分も見られている、ということに思いが至っていない。以前も書いたが、セックスを拒否して自慰にふけっている、という印象を私は持つ。そして現実逃避的な自慰の反動として、人質バッシングがある。