Win-Win

なにかというとWin-Win situationだというのがわが友人たちの間ではやりになって久しいのだが、あくまでも冗談である。
「ビールのみにいこうぜ」
「えー、でも雨ふってるじゃん」
「タクシーでいけばいい」
「わざわざタクシーで?」
「いやだからさ、俺たちは濡れずにビールにありつける。タクシーは儲かる。Win-Winだろ、いくぞ」
「おー、確かにWin-Win、ビールだビール」
というわけでWin-Winなるタームは頻出するのである。これが果たして正しい使い方なのだろうか。まあ、便利な言葉には違いない。みんなシアワセ。日本語だったらWin-Winってなんていうのかな、とちょっと考えて「一挙両得」という四文字熟語に思い当たった。でも「一挙両得」ってなんか貧乏くさい。Win-Winという成語にあるバブルな香りが”一挙両得”にはない。風呂に入るときに靴下をもって浴室に入り、その靴下を手ぬぐい代わりにすれば体も靴下もきれいになります、一挙両得!ってな感じである。でもこれをWin-Winとはいわない。