平熱で仕事したいものである

正月が終わって日本から帰ってくるとどうも調子が崩れる。昨年は胃潰瘍だったが今年はひどい風邪。加えていろいろ締め切りが1月のうちに羅列渋滞しており、熱で朦朧としつつも仕事、挫折、仕事、逃避して本、よろよろとまた仕事、逃避してお茶、足湯。しかも今月は送別が多く、これまた難所である。

”微熱が”とかふらふらぶつぶついっていると、”何度?”ときかれ”37度少々”と答えると、ご冗談をあっはっは、という扱いをうける。ヨーロッパ人にとって平熱というと37度なのである。日本の小学生の常識として平熱36度と教わったと思う。水銀体温計の発熱を示す赤字が37度であるのもビジュアル記憶に焼きついている。とはいえ、触ったときに1℃の差があったら感覚としてかなりの違いがあると思うのだが、ヨーロッパ人に触って熱いなと感じたことはあまりないので、1℃も差はないのかもしれない。ひとつの可能性は、体温計の計り方。近年でこそ電子制御の体温計が普及しており、測定の終了は電子音で告知されるが、かつての水銀体温計はカップめんを待つのと同じような感じで、せっかちな人間は早目に体温計を取り出してしまうので体温は低めに出る。全体として低い平熱であるという常識は実はこのせっかちさの反映だったりするのかも。なにはともあれ研究者が比較したデータとかあるといいな、と思うのだが、ちょっと見たところではウェブ上ではみかけない。