新教育基本法 下位法の制定に注意せよ

昨年12月22日に新教育基本法が公布・施行されたわけなのだが、「反対したけどだめだった」で終わってはまずい。というよりも、具体的な変化はその下位法にあるのだから、そこに注意を払っていかなくてはいけない。

従って教基法が改正されれば、それに沿った関係法令の改正が必然的に求められることになります。文部科学省も今後、学校教育法をはじめ30本近い法律改正を検討し、今年の通常国会から順次提出していきたい考えです。「魂」がどのような姿になるのかは、それぞれの改正作業のなかで見えてくることになります。
そうした法改正をさらに具体化させるのが、「教育振興基本計画」(17条)の制定です。これは、おおむね5年間を見とおした教育施策の総合計画を定めるもので、文部科学省中央教育審議会に諮問して今夏にも答申を得たうえで、予算措置も含めて2008(平成20)年度からスタートさせたい考えです。また、国の計画を受けて、都道府県などでも独自の計画策定が検討されることになります。
さらに「魂」がどう「行動」に現われてくるのかが最も顕著になるのが、学習指導要領の改訂でしょう。ただし文部科学省は当初、今年3月までに新しい指導要領を告示したいと考えて作業を進めていましたが、改正教基法やそれに伴う関連法改正も反映させなければならなくなりました。当初予定では早ければ2010 (平成22)年度にも新指導要領に基づいた授業が小学校などで本格的に始まるとみられていましたが、スケジュールが遅れることは必至です。

2007年「教育」も幕開け! 教育基本法改正で変わる?日本の教育
渡辺敦司 2007/01/11
太字は引用者による強調。

教育振興基本計画についてはこのあたりがその経緯のよい参照になる。要は文部官僚が勝手に決めることのできる計画であって、実にその内容はいまだはっきりしていないという、これからどうにでもなる「計画」なのである。学習指導要領の改訂も考慮すれば、今後数年注目しつづける必要がある。