近況

社交性、というとパーティーでの酩酊座談ということだったのだが、なにやらそれが仕事になってしまったようなこの二週間(もちろん酔っ払ってではないけれど)。新しいポジションだから挨拶周りみたいなもので、しばらくしたらまた穴居生活のごとき研究生活に戻るわけだが、ディスカッションな毎日も結構性にもあっているような気がしはじめた。
いつぞや書いたと思うのだが私のアパートの階下は宝飾店である。指輪だの首飾りだのブローチだのがならんでいる。先月引っ越してきたときに日本的習慣で贈り物を持って挨拶にいった。店主である女性に挨拶したときは型どうり、と思っていたのだがこれが結構生活の役に立っている。小包などが来たときに預かってもらえるのである。なにしろ昼間はかならず店に人がいるので、配達されてきたものは店に置かれ、翌朝私が受け取りに階段を下りる、ということになりつつある。実に便利である。
突如の栄転で、ナポリ大学の無機化学助教授になったナポリイタリア人が遊びに帰ってきた。なにしろ飲み友達だったものだから、彼女が学生に宿題を出している、とかいうとなんだかとても滑稽な気がする。私語がすごいんだけど、自分もそうだったからなんか注意できないのよねー、とタバコをふかしながらため息をついていた。一方で隣の研究室の友達がフライブルク大学の光学の教授になって明日からいなくなる。予算がものすごく少なくて信じられん(確かにワークステーション3台買ったら年間予算終わり、というかんじである)と嘆いていたが、栄達。めでたいめでたい。あー、それにしてもみな終身雇用である。"you guys are settling, aha!"なんて揶揄交じりながらなんとなくうらやましい。