大量廃棄

地下室のゴミの山を片付けた。大型のバンを借り、いつのものだかわからぬ解体されたクローゼット、衣装ダンス、スチール本棚など板、板、板。水撒きホース、瓶やボトル、ボート漕ぎトレーニングマシーン(新品だった)、ゴミ箱、何枚もある鏡、自転車のタイヤ数本、割れガラス、長靴、塗装関係用具・・・延々。机と洗濯機を買いたい、という人がいたので、彼らの手伝い含めて総勢6人で片付け。ゴミを持っていくのはリサイクルホッフと呼ばれる場所で、バン一杯で現場のオヤジが目分量で経費を算定する。8ユーロだった。日本では大阪を出るときに似たような場所に行ったことがあるのだが、スズキのワゴンRに乗せた車ごと重量を測定して、捨てた後の測定を引き算して重さできっちり値段を決めていた。
リサイクルホッフには分類と廃棄を手伝うオヤジ、おにいさんがうろうろしている。でも彼らは本当にうろうろしているだけで仕事をしてくれない。こちらが6人で十分な人員、と判断したからかもしれない。そのうち一人だけがマジメに手伝ってくれた。彼が、お前らアメリカ人か、英語しか喋んないのか、とドイツ語でいうので、彼はクロアチア人、あれはフランス人、彼女はポルトガル人で、バンの中で荷だししている女の子がドイツ人、と説明したらうおー、ヨーロッパバンかあ、となにやら感心しているようだった。ていうより、仕事してくれよ、と私は思ったのだった。そうこうしているうちに、新品のオール漕ぎマシーンが出て、欲しかったら持っていってください、と手伝ってくれているマジメなオヤジ一人に告げると、彼はえー、これ新品だよ、と満面の笑みでいそいそとどこかに持っていった。時間があれば私も売るか何かするのだが、なにせ引越し関連の用事が始って以来すでに一ヶ月である。とにかく処理したい、という思いのほうがつよい。オール漕ぎマシーンが出てから、同じように宝があるのではないかと思ったのか突然オヤジおにーさんたちははりきって全員で手伝い始めた。あっという間にゴミは片付いた。最初にオール漕ぎマシーンを出すべきだったな、と後悔。
それにしても大量廃棄はなにやら祭りのようで楽しい。すっきりさっぱり。