医療機器ソフト

結構自分でも思っていた点。ドイツも割と日本に近いのだが、この10年で随分変わったと思う。ちなみに下記、シーメンス(ほんとはジーメンスだけど)はドイツの東芝的存在。重厚長大な企業である。

その日本でしょぼしょぼとやっている医療機器ソフトの市場を海外で見た場合、シーメンスとか海外列強にまったく勝てない状態が続いている。では、それら海外企業がそれほど最先端で安定したソフトウェアを顧客に提供しているかというとそうでもない。日本が遅れきっているだけだ。

本当に技術が必要とされる現場にgeekがいない/切込隊長

理由は日本のgeek(意訳すると、マニア、とかオタク、とかになる)がgeek同士で閉じてしまっているから、という説明。直接ではないが現場に近い人間である私の感じでは、研究者と医療機器関連会社との間の上下関係が大きな理由だと思う。研究者は日本で”先生、先生”と呼ばれる。下っ端の下っ端、学部の卒業研究生にまでこの業者が頻用するゴマスリ尊称を本気で受け取っている研究者はほとんどいないと思うが(オレはオマエのセンセーじゃない、と誰だって最初は思うだろう。おもわんのかな。)、こうした意味のない形式が存在の関係性を規定してしまっている。対等な関係になっていないから、相互の情報フォードバックが上滑りかつ無内容に終始し*1、需要にはまった製品を開発することができないのである。したがって、Geekが現場に参入するだけではだめである。タメ口で居酒屋で酔っ払えるようでなければ進歩はない。

*1:目的がなくてもかなりの長時間のコミュニケーションを形式だけで済ますことができるという日本語魔術もあるけれど