途中で止めないでよ。
- 作者: イタロカルヴィーノ,Italo Calvino,脇功
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1995/10
- メディア: 文庫
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を読んだわけなのだが、どんな書評があるのかなー、とちょっと覗いてみた。
松岡正剛さん
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0923.html
不明さん
http://www2u.biglobe.ne.jp/~BIJIN-8/fsyohyo/no_viagg.html
吉川信さん
http://www.wako.ac.jp/bungaku/teachers/tosyo/tosyo-kikkawa01.html
おおたさん
http://www.max.hi-ho.ne.jp/~uporeke/200306a.html#07_t2
などなど。
うーむ。どれもピンとこない。でも、これらの書評を読んだら、さぞかし気合いの入ったブンガクだという印象をもってしまうのではないか。私はこの本をとてもナイーブで楽しい純愛小説及び読書フェチ小説として読んでしまったのだが、なぜみなさま、構成にばかり目がいってしまうのだろうか、素直になれないのだろうか。まあ、でもひとこといいたくなる本であることは確かである。
ちなみにこの本を私が読み始めたのは春、中途でいつのまにかベッドの下に落ちて忘れていた。週末掃除をしていてベッドの下を覗いたら(半年ベッドの下を覗かなかったということだ)、栞を挟んだまま「冬の夜一人の旅人が」が転がっているのを発見したのだった。掃除中断して再開(上記書評に繰り返し書かれているように「中断と焦燥」がその本質にある構成なので、あまり問題ではなかった)、そのまま日曜の夜になってしまった。なにせ、主人公でもある「男性読者」の「女性読者」すなわちルミッドラに対するアプローチのヘドモドずっこけぶりがたまらなく良いのである。女を追いかける男の情けなさを自虐的に楽しみたい男、女を追いかける男のバカっぷりを存分に楽しみたい女にこの本を勧める。ずっこけつつもエンディングがまたたまらなくよいのだった。カップルでベッドに並んで本を読む人だったらうれしくなるよなあ。