引っ越そうかと思って家を探している。昨日訪問したのは山の中腹にある70年代の未来建築のような白亜の四角い建物だった。山をちょっとだけ上がり、さらに玄関から階段をうねうねと昇ると家にたどり着く。狭い階段を上りながら尾道を思い出した。うねうねと斜面に沿って階段を上がって振り返るといつのまにか随分な高度に達している、そんな気分。劇場を経営しているという家主に挨拶して案内してもらう。家は四方が窓になっていて風光明媚。借景である。バルコニーがやたらと広く、それとはまた別にあるテラスから遠くフランス側を眺めることができる。でも普段の私の生活を考えるとサンダルでぺたぺたと買い物に出かけられる環境のほうが大事なような気がする。