災害立国 つづき

昨年末に日本は自然災害立国になるべきではないか、なんてことを書いたのだが、似たような方向で考えているハードメディアの人がいたので、記事から大幅な引用。

東ティモールPKO活動を取材した時、異郷での民生支援に必要な能力は、武器の操作だけではないと感じた。大事なのはコミュニケーション能力だ。身を守るにも言葉と臨機応変な発想が必要となる。それは組織で固まり上位下達の人たちが苦手とする能力でもある。
20万人近い人員を抱える自衛隊から3万人ほどを切り離し、国際協力隊をつくる。地域ごと専門部隊を編成し、選挙監視、復興支援、災害派遣など国際社会の使命を果たす。
言葉を徹底して教える。国際感覚と身体機能をしっかり磨く。通信・輸送・消火器の訓練はあってもいいだろう。一人になっても行きぬける力を身につける。3年ほどみっちり鍛えれば除隊後、ビジネスやNGOで能力をきっと生かせる。
JICAの青年海外協力隊は2500人ほどが海外で活動している。応募者が多く競争は約5倍。ふるい落とすのに担当者は苦心している。途上国で活動したいと望む若者が大勢いるのに、意欲を吸い上げる機関が日本に少なすぎる。
戦闘用に作られた組織を民生用に使うには無理がある。日本国憲法も海外派兵は認めていない。自衛隊には抵抗があるが、国際協力隊なら入ってみたい、という若者がきっといるはずだ。あなたなら、どうですか?

アエラ 2005年1月17日号
今こそ国際協力隊 ヒトの支援は武器より言語力 編集委員 山田厚史

上の提言は自然災害立国という発想からのものではないけれど、こんな感じで実施できたらいいのになあ、と思う。自然災害に対応するプロである(回避じゃなくて、起きてからどうにかする、という部分だけれど)、という認識を日本人は持ってもいいのではないか。国際的に活躍できる世界最高の技術とインフラをもつ災害救助隊は、世界に貢献するだけじゃなくて、自分の国(すなわち日本)が自然災害でやばいことになったときにもまたとても有効。なお、この件に関して、id:sueさんに賛同の声をもらった(id:sue:20041230#p1)。サンダーバード・ジャパン、って実現したら本当にかっこいいと思う。