LTJ Bukem & MC Conrad "Progression Session"

凄かった。なにしろ24時に会場の倉庫に行ってみたら数百人の若者が行列。貨物引込み線の周りにずらっとならんだ車は、半径二百キロのあちらこちらの街からやってきている。こりゃだめだ、とハンドル切り替えして家に行ってシチリアのネロ・ダボラを飲みながらうだうだベルリン出身のドイツ人とおしゃべりして、そろそろかなあ、と2時半に行ったら、筋骨逞しきセキュリティが怖い顔で「もう入れません。チケット売りません。」オレもう寝る、と友人は帰ってしまったが、私はどうにもあきらめきれず、帰る途中の若者一人を捕まえて、入場チェックの紅い手首テープをもらう。このテープが曲者で、どうせ糊でついてんだから、またくっつければいい、と軽く考えていたのだが、二度は張り付かないという恐るべきハイテクテープ。ますますカッとなって家に急いで戻り、はがれた部分をマジックで塗り、両面テープを貼り付け、気合いを入れるため車ではなくマウンテンバイクにまたがって三顧の礼。これが3時。行ってみたらもはや倉庫のあちらこちらの扉から客は出たり入ったりしており、私はなんの苦もなく素通りでなんか無駄な苦労だった。

とはいえ、苦労の甲斐があって、超絶なクラブアクト。紫煙けぶるなかひたすら皿を回しつづけ、最速のドラムンベースのビートを次から次へと繰り出し、ここぞという時にここぞというビートを放つ坊さんのようにクールな面持ちのLTJBukemに、カバというか野獣で巨体な冷蔵庫男、MCConradが絡んで吼えつづけ、煽るアジる。最前列の客は跳ねるは倒れるは裸になるわ放水するわでむちゃくちゃ。というわけで私もむちゃくちゃになって5時半まで騒いで帰宅。気がついたのは黒人率がとても多かったこと。普段あんまりみかけないのになあ。帰り道は涼風に吹かれて、盆踊り大会の帰路な気分。レイブは盆踊り。

LTJ BukemのオススメはLogical Progression 1。版ごとに内容が変わっているみたいなのだが、一番最初のが一番よい。