不安なフリーター

id:solarさん、おもしろい指摘。

フリーターは階級だろうか
「フリー」であるとはどういうことか

「フリーター化」と社会全体の「セキュリティ化」の連関と、「長期で安定的な関係」についてはもっとこうした議論があっていいと思う。フリーターの階層分断化、というのはフリーター人口が多くなれば多くなるほどおきそうな話で、上層フリーター(なるもの)が下層フリーター(なるもの)の立場を社会的に利用して得をする、みたいな弱肉強食まで出現すると私は思う。補足になるかどうかわからんが、今の日本の文科省の方針は、大学院生及び助手助教授の総フリーター化。COEのポストなんて目を被いたくなるほど不安定。ヤリスギに見えるほど。事実起きている話で、これは仲俣さん、知っているのかな。*1なりふりかまわん大声の自称"上層"フリーターの出現も時間の問題だろう。今回の話はこうしたことなのだと思う。

顕在化してきている階層分化に対して「みんな平等」なはずだった日本社会がどうやって対処するかということだ。「みんな平等」という大ウソではどこもが糊塗不可能になってきている。ひとつの逃げ道はそれを世間という価値観にバッファさせることだが、逆にそのことが強い共同体圧力になっている、というのは以前のid:flapjackさんの論。id:hizzzさんのところの「言葉の暴力」やそれに対するessaさんのレスも、言説という面からこの問題を捉えている。ただ、日本語がまるで出来ない人間、という存在が考慮されていないことは指摘したい。私は住んでいる場所の言葉がほとんど喋れない、という絶対的な言説弱者として住人になったことが二度あるので、とても気になる。そうした立場では、自分の存在をただ認めてもらう、という図々しさしかありえないのです。

[追記]
・・・とかいてから訂正。
「絶対的な言説弱者として住人になったことが二度ある」

「絶対的な言説弱者として住人になったことが2.5回ある」

0.5回は、大阪!

*1:なんて書いてみたら註をつけてくれました。このあたりの詳しい話はココ参照。欧米の真似してテニュア制度の導入をやろうとしている。それはそれでいいのだが、同時に大学外の社会も流動化を同じように促進しないと、目論見はずれてドイツより博士もちのタクシー運転手が増えることになると私は思う。それはそれでおもしろいんだけど。あと流動化インフラかな。