ミュンヘン München

日本人の建築家の友達が設計した、できたばかりのアパートを見に行く。ここに住むドイツ人は、縁側や雨戸が日本由来だと気がつくのだろうか。今作っているという幼稚園にも縁側をつけたのだそうだ。

旧市内に入るカールス門の向かいがわに、新しいオシャレ系のカフェが出来ていたので入ってみたら、スシカウンターがある。カフェラッテを啜っていたら、スシ職人が出てくる。なんかこの人知っているなあ、とよくよく思い出してみたら、以前よくいっていた和食屋の厨房にいた中国人のリン君。おー、ひさしぶり、ということでしばし雑談。経営者と大喧嘩してイビサに行ってしまった料理人のSさん、どうしているか知っている?と聞いたら、今日スケで古巣で働いている、というので夜行くことにする。Sさんは東京芸大のフルート科を卒業した後、ドイツの大学院に入り、いつのまにか和食の料理人になった、という筋金入り快楽主義者。最近は声楽、昨年イタリアであったオペラの声楽コンテストで2位になった、という大酒のみの豪傑。

ギター弾きの友達に電話したら、その彼女が出て、おもむろにつまんなーい、という。レコーディング中で遊んでくれない、と不平たらたら。で、その弁護士である彼女と和食屋。Sさん健在、しばし旧交を温め、オススメのスズキの刺身に菊水の辛口。友達の彼女の方は、金曜日から日本に行く、福岡のヤクザと食事する、という。なんの用事なんだか知らんが、飯を食わせてもらったらまず「スゴクオイシイ!」という。しばらくして、別のものが出てきたら、一口たべて静止、片肘ついて、頭に手をやり、夢見る目つきでゆっくりと「シンジラレナイ・・」という。また別の皿が出てきたら、一口食べて、静止、ため息、最後に、両手で頭を抱えて下を向き、消え入るように「モウナニモイエナイ」といいながら首をゆっくりと振る、という正しい作法を教えた。何度か練習。どうなんのかなあ。場所を変えてDJ付のラウンジ系カフェ。シチリア男二人組(マリオとサルバトーレ、いかにもな名前)が彼女に猛烈アタックするので、マフィアだポモドーロだとおもしろがっているうちに朝3時。