戦争な気分と
http://www2.asahi.com/special/iraqrecovery/TKY200401160174.html
http://www.asahi.com/international/update/0119/010.html

ハローワークな気分
http://www2.asahi.com/special/iraqrecovery/TKY200401150305.html
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20040120k0000m040081000c.html

この温度差、どうやって解消するのだろうか。

サマワでボスになる、オランダのカンプ国防相は、わざわざ石破長官に「現地の人に雇用の機会を与えることが重要」とアドバイスしたのに、「自衛隊に雇用創出の任務はない」と答えたそうである。バカである。

だったら、なにしに行くの?ということになる。現地の人間が本当に必要としていることはなにか?水や穴掘りではなくて、仕事、なのである。この温度差を今すぐにでも熟考しないといけない。現地の人間をあまりにないがしろにしている。日本が「国際協調のため」に派兵する、というのは耳にタコができるほど聞いたのでよくわかった。だけど、この温度差はあまりに実情無視なのである。実に、どう考えても、なにをしに自衛隊サマワまで行くのか、考えられていないのだ。これを「自分勝手」といわずなんと言おうか。

私が妄想してしまうのは、サマワにつくやいなや、陣地を築き始め、その中に閉じこもる日本自衛隊員たちだ。サマワの住民はその空間から排除される。厳重なバリケード、小さな日本のコロニー。内部では自衛隊員たちが、ウェブで日本のニュースを読み、日本のニュースストリームを眺め、友人や恋人、家族とメール交換ないしチャットをする。空輸される和食もうまいにちがいない。日本の空間がそこにバーチャルに立ち現れ、ここは本当にイラクなのだろうか、という思いさえするようになる。

一方で、やがて始まるデモ、砦の周りで「仕事を!」と叫ぶ人々は「自衛隊に雇用創出の任務はない」ので無視されつづける。いまや海外に名高いニッポンの「引きこもり」は遂にイラクにまで到達するのだ。たぶん少しだけ違うのは、「引きこもり」にいらだつ気の短い人間に、時々爆弾が投げ込まれたりする、ということだろう。