ノルマンディフランス人のマリー・キューリー・フェローシップ申請の書類を手伝っている。もともと悩むことの多い人間だけにむちゃくちゃ難解な文章で直しが大変なことになっている。もうすこしオヤジになったら煩悶をコントロールできるようになっていい研究者になるんだろうけど。一方でロンドンの熱血オヤジも解析をせっつくわ、はたまた、そこやめて早くロンドンに引っ越して来いだの、オレの仕事はいつしたらいいのだ。というか、これもまた仕事なのだろうか。
自分のテーマの研究だけが私にとっては仕事、だと思ってしまうのだが、考え方をかえなきゃいけないのかな。
というわけで、没社会的なことばかり書いていて申し訳ありません。

[追記]
どわー。ロンドンからデータの入ったCDROMを何枚も持って熱血オヤジの使者がやってきた。オドロキ。てんやわんや。

理系文系

・・・なる区別に関して多くの人が理系白書でコメントしている。私は個人的に次のような分類を推賞している。
1、 理学・文学・哲学・芸術
2、 法学・工学・医学
3、 経済学・政治学・心理学
分野を網羅しているわけではないが、それぞれの人間の考え方の傾向分類からして、こんな感じだな、と私は思っている。大学での専攻について悩んでいる高校生に相談されると、理系文系、なんて無粋な分類じゃなくて、と上のような分類を説明をしていた(そういえば最近では身の回りに高校生が存在しないので説明したことがない)。一番目のグループはおよそ役に立たないことを成す可能性が高い分野である。実利よりもそれぞれの美意識がものをいう。二番目のグループはいずれも広義に工学的だ、と私は思う。直接生活に結びついている。3番目はインターディシプリナリー、というか1と2の間でウロウロするような分野である。
理系文系でくくると性格に合わない分野を専攻する可能性がとても高いと思う。例えば「理工系」などという呼び方があるが、理学部と工学部では価値観が全く違うし、学部を経る間に確実に考え方に差がついてくる。ものの見方もちがう。同じ現象を見ても、理学の人間と工学の人間は違った点を眺めていたりする。いずれにしろ、それぞれの性向に照らしてどちらかがよりマッチしている、といのが事実だと思う。なおかつ、工学にマッチする人間はおそらく医学や法学にも難なくスライドできるだろう。同様に理学と文学の間はスライドしやすいと思う。
そもそもの性格にそれがあっていなければやめればいいだけの話ではある。でもそれは若者にとってなんかもったいないような気もするので、私は高校生に向かって、君は理学か文学だな、なんてえらそうにいって相手の目を白黒させていた。そもそも思えば高校生の時の私もあまり考えていなかった。やっぱり理系だよなあ、と考え始めた高校三年の時には理学部も工学部も科学、にたようなものだ、と思っていた。私は理学に進み、それがたまたま性に合っていた。単なる偶然でしかない。