ロンドンの某ガン研究所のエライ人との共同研究で、この一週間凄まじい強度で仕事をしながらメールのやりとりで忙殺していたのだが、私が望んだわけではなくて、向こうが公私無視でメールを送ってくるので日がなチャット状態になっていたのだった。「結果はでたか」「今のところこんな感じ」「今晩はなにするんだ」「うちで友達とウサギ食って飲み」・・翌朝「で、ウサギはどうだった?」「ウサギはよかったけどグラッパを飲みすぎて半死」「まー、やりすぎはなにごともよくない。で、これから何するんだ?コーヒーは飲んだか?」等々。ストーカーですな。
そもそもこの熱血オヤジはなぜか私のことをこの4年来すごく気に入っているらしく、ロンドンに来たらスゲエ待遇にするぜ(といってもなにがスゴイのかよくわからんので、車庫付でフェラーリ、と自己申告しておいた)、とさかんに言ってくれてはいるのだが、上記のような熱血オヤジとケミカルブラザーズを聴きながら激烈に仕事、激しくパブ飲みを何年か継続したら("スゲエ待遇"とはおそらくそのことであり、マッドな人なのである)センシティブなワタクシは早死するのではないかという恐怖心でやんわり断り続けている。できたら抜けるような青空と乾燥した空気が路地をそよぐバルセロナの方がいいのだ。この間日本に帰ったおりに、昔の本棚から中沢新一の「バルセロナ 秘数3」を引っ張り出して持参してきた。中沢新一の本の中で一番おもしろいんじゃないかと私は思っている。写真や図ももおもしろいんで単行本がオススメ。うーむ。バルセロナ
それにしてもそうこうしているうちに政治家・朝日・NHKの泥仕合がくりひろげられてすっかり朝日・NHKはオトコを下げた、というか、メジャーメディアってこんな風に沈んでいくんだなあ、と私は思ったりしていた。理系の報道に限って私が感じることを言えば、自由闊達な毎日に対して、陰鬱な朝日。朝日の記者はブログを開設しているのを見たことがない。なんでなんだろう、と思っていたら、どうやら朝日は記者がネットに書き込むのを禁止しているらしい。ましてやブログなぞ。あ-あ。

バルセロナの料理

っていったら私の中では高森敏明さんの本で、レシピは
ASIN:4128000841
著書は
ASIN:4560039771
いずれにしてもスペイン、特にバルセロナへの深い愛が感じられる本で、レシピの本はレシピというよりもエッセイに近い内容で読んでいるだけで楽しい。でも在庫切れなのだな。うーむ。ちなみにレストランは吉祥寺にある「ドスガトス」。パンくずをテーブルに撒き散らしながらうるさくしゃべりつつ飯を食っていたら、パンくず集め専用の銀の塵取りがでてきて、高森さんが片手だけの鮮やかな手つきで、しゅっ、と鋭い音をたてながらパンくずをきれいに掃除してしまったので、ますます感動してしまった。