ナノサイン

9年来の友人であるベルリン出身ドイツ人が、バーゼルの研究所へと移っていった。あまり遠くではないし、仕事でのつながりは続行、個人的にもシュヴァルツヴァルト(黒い森)にある家にしばしば遊びに行くだろうからあまり感傷的にはならならなかったのだが、研究所ではかなりの盛大な見送りとなった。贈り物のひとつがとてもアイデアに富んだもので、イタリアフランス人が開発している数十ナノメートル精度のレーザーメスを使って顕微鏡用のカバーグラスに研究所のメンバーがそれぞれエッチングでサイン、「さようなら、我々からの贈り物です」といって顕微鏡でみてもらうという趣向。30マイクロメートル四方というと日本人の普通の髪の毛よりも少し太いか細い程度だと思うが、その小さな面積にぎっしりと人のサインがエッチングされている様はかなり感動的である。贈られた本人かなりたまげてとても喜んでいたが、どこに飾るのかな。