オスマ・ビン・ラーディンの声明

暗いニュースリンクに、ビデオ声明の和訳が素早くも掲載。
オサマ・ビン・ラディンの演説(2004/10/29アルジャジーラ放送分)

CNNで放映されたビデオと、ブッシュ、ケリーそれぞれの対応を見ていて、こりゃどうみてもブッシュに有利な一件になる、と思った。というのもアメリカ人の気質からいえば、脅されても状況がどうであれひたすら屈しないという姿勢をバカの一本槍で見せるほうが受けがよいからだ。メル・ギブソンが主演した「ランサム(身代金)」という映画がある。一代で財を築いたやり手の大金持ちの役であるメルギブソンは、息子を誘拐され、身代金の供与がなければ息子を殺す、と脅される。犯人グループのリーダーは警察関係者であり、警察側の動きやメル・ギブソンの動きを逐一知ることができ、常に一枚上手の対応で決して尻尾をつかまれることがない。窮地に至ったメル・ギブソンは激昂し「殺したいなら息子を殺せ、その代わりに誘拐犯は絶対に許さない。生死を問わず犯人を捕捉したものに、報奨金を与える」とテレビで発表する。報奨金の金額は莫大であり、要求された身代金を遥かにうわまわる額なのだ。映画自体は紆余曲折の結果、無事(?)メル・ギブソン自ら誘拐犯を殴り倒して一件落着、とあいなるわけだが、こうした対応を英雄視するアメリカの気質、無理でも絶対に屈しないという態度を賞揚する価値観がある背景では、どんなにマヌケなブッシュJでも同じ態度さえ踏襲しさえすれば国民的ヒーローになることができる。無論、西部劇に頭を犯された某コイズミ氏も私淑し、ひきつづき「テロには屈しない」と連呼する声に力が加わることには間違いがない。