英文手紙の末尾につけるSincerelyにあたる言葉がEメールの場合にはいろいろなバージョンがある。新しいコミュニケーション手段なので型が定まっていないのだろう。日本語の場合には私は「ではまた」、「ではでは」ないし「ほなほな」にしてしまうことが多い。後者二例は連語ちゃんなので実に行儀が悪いが、なんとなくそんな気分である。某知人はなぜかいつも「取り急ぎ」で、それを見るたびにEメールってやっぱりなんとなく忙しい感じなのかなあ、なんて思ったりする。
ドイツ語の場合は"Gruesse"(本来ウムラウトエスツェット)で、これは北ドイツでもそうなのか私は良く知らない。北ドイツにはメールを気軽にやり取りする知人がいないのでわからない。英語の場合に良く使うのはCheers、欧米共通のCiaoもあるが、私はどうもあとで恥ずかしくなってしまうので使えない。なにがチャオだよーアホかオレ、と反省してしまうのである。だから躁状態の時にだけ使う。珍しいところでは"Best-"。"Best Wishes"の省略。砕けきってはいないがちょっと軽い感じの事務メールで使う。
フランス語では"A+"なのだという。その意はapplause。読みが「アプルス」なので省略形でA+になるのだそうだ。アプラウズ。称賛!拍手!一年前にこれを教えてもらった私はこのところ英語だろうがドイツ語だろうがサルのようにこれを使いまくっている。なにしろ短い。便利。意味がわかんなくてもなんとなくポジティブ。こんなことを書いているのは、昨日ドイツ人の知り合いに書いたメールに返事が来て、しっかり末尾にA+とついていて、なんとなくうれしくなったからだ。Eメールの末尾なんて、未だに定まってない作法だ。私はA+が広まらないかなー、と思い、日々A+と末尾につけつづけている。