文化資本の再生産

walkinglintさんとかが指摘しているようだけど、文化資本の再生産について。

主に教育と社会階級について分析。単に裕福な家庭の子が進学で有利というだけでなく、文化資本(上品で正統とされる文化や教養や習慣等)の保有率が高い学生ほど高学歴であることを統計的に証明した。またその子供も親の文化資本を相続し、同じく高学歴になることも統計的に証明した。彼はこれを文化的再生産と呼んだ。特権的文化の世代間継承と、学校がそれに果たす役割を解明。社会構造が再生産され変化するメカニズムについて考察し、現象学的主観主義を発展させることも目指した。これらの研究は、自己を他者から区別する「卓越化」が構造化される過程の分析から、階級闘争まで触れた著書『ディスタンクシオン』としてまとめられた。社会的地位の再生産に関する、マルクス主義とは異なる新しい理論として、ヨーロッパだけでなく日本やアメリカでも注目された。

とりあえずウィキペディアから引用

http://anond.hatelabo.jp/20070826235204
努力すれば格差を乗り越えられる、なんて思いつかなかった
http://d.hatena.ne.jp/kmaebashi/20070828#p2
学歴社会と格差の固定化

などのエントリーに関連して。実はこれをしっているかどうかもまた文化資本の再生産でああるのだろうし、だからこそ教育がいかにあるべきかと社会政策を考えることが重要なわけである。これをしる、ということもまた、公教育で教えることが可能なのである。ネオリベにしても、教育基本法の改正にしても、これをあえて教えない、隠蔽するという方向だから私は反対しているわけだけど、私が前提にしているこのあたりのことを説明しているウェブ上の情報はないな、と思った。日本ではもちろん苅谷剛彦さんがそうした立場から教育政策をずいぶん前から検証しているんで、関心がある人は本を読んだらいいと思う。

DMD

コースに来ているマルセイユの工学部の院生と、マックスプランクのディレクターと飲みにいった。院生の専門はテレコミュニケーションだ、というのでなんでまた生物のワークショップに、という話になった。顕微鏡の開発をしている、とのことで、Structured Illumination (構成照射、とでも訳すのかな)と、DMDを組み合わせているとか。Structured Illumination は生物で使う光学系ではよくでてくる話なので知っていたけれど、DMD(デジタルミラーデバイス)って技術はしらなかった。説明してもらって驚いた。ピクセルごとに割り当てられる数10ミクロンのミラーの角度を制御して、その振れの周波数で階調をだすのだ、とのこと。さらに回転フィルターと組み合わせて色を出す。おそるべしハイテク。なお今のデジタル画像のプロジェクターにはもっぱらこの技術が使われているので、院生君は900ユーロぐらいで買って分解してDMDを取り出して流用しているのだそうである。私はといえば「液晶プロジェクター」という単語で機械の名前を覚えていたのですっかりLCDと思いこんでいた。