昨日のお仕事

  • ハンブルクにいった部門長と、彼が折衝する20分前までメールのやりとり。戦略よりなによりも材料。これからの科学はコレダってな世界である。
  • そうこうするのがおわってからあと二日で書かなくてはいけない教科書執筆に没頭
  • ・・・しようと思っていたらロンドンの共同研究者から1年半ぶりにメール。あのつづきでー、とのことでFTPに大量にデータをドロップしてきた。あー。
  • と呆然としていたら発生生物のポスドクが「すまなーいちょっとディスカッションしていいかしらー」わりわり、というわけで、お座り込んだポスドクとディスカッション。夕方になってしまった。しまった。しかも20時半から飲み会なのである。抱頭。
  • 薬はまだ服用継続しているがそろそろ胃潰瘍も治ったころだし、と勝手に決めて昨夜、空手道場に復帰。ひでえ筋肉痛。回し蹴りがきまらない。

新宿駅、五時の方向

穴ぼこのような空間がひょい、と現れるのが都市のおもしろいところである。帰省していた時にたまたまそんな場所を新宿で発見した。今までは駅の外で東口から南口に向かうとなると、なんとなく人の流れに沿って、飲み屋のビルだのなんだのがギラギラと看板を並べている人通りの激しい線路に並行した道を普通に行き来していたのだが、この間発見した道は東口マイシティの地上口から出て建物にそって右に曲がり、線路に直接沿った道である。地下からの出口がある角をマイシティの建物に沿って曲がったとたんに人ごみの喧騒がうそのように消えうせて、線路まで10メートルぐらいの道になる。
突き当たりは線路になる。すぐ目に入るのが突き当たり右側の角にあるマイシティの社員用通用口。反対側の角につったって建物によりかかってタバコなぞを吸っていると(そもそもタバコを吸うために手ごろな人気のないところを探していてこの道を発見したのである)マイシティの社員らしき人々が、ああつかれた、でもいそがなきゃ、という感じでそそくさと出入りするのを眺めることになる。その角から線路に平行な道は、南口のタワーレコードのあるビルの横までまっすぐ続き、最後に再び左に曲がる。表どうりのように人にぶつかりそうになることもなく、がらんとした道をあー、なんかほっとするなあ、とふらふらと歩いていると、左側は表どうりに面した雑居ビルの裏口になっていて、これまたそこで働いている社員たちが、所在なげにタバコを吸っていたり、自転車にまたがってどこかに向かおうとしていたりする。雰囲気としては神保町の裏通りにどことなく似ていて、生活と仕事場の間の曖昧な匂いが漂う空間。新宿のど真ん中にこんな場所があるのはなんか不思議だなあ、と思いながらもよくよく考えてみれば20年前の新宿はこんな場所が結構あったかもな、なんて思い出したりする。そうこうしているうちに私は二つの建物と、その間にある中空の連絡通路をくぐって明るい南口の広場にでる。再びキラキラした空間の中にいるのだった。
新宿の駅のまわりをぐるりと頭の中で巡ってみても、たぶんこの次元の違う空気の密度をもつ穴ぼこ的な場所はここだけである。07/02/08付の偽日記を読んでこの道のことを突然思いだした。