一年に一回の健康診断があった。研究所には医務室がないので、街の大学病院に行って診断を受ける。すでに何回か行っているためか、身長測定も体重測定もなく、血液と尿の検査だけだった。いつもながら問診でなんとなくこまったことになる。”ウィルスは扱っていますか”。すごく時々扱っているんですけど、危なくない使い方です。なんて答えになるのだが、これは解析法を査定するのにウィルスを使った実験がごくたまに便利なわけで、ウィルスの研究をしているわけではない。感染している細胞ちょっと貸してよ、みたいな感じである。でもよく考えたら最近レトロウィルスとかも使っているよなあ、なんて思うが、時々つかうことも、というと、医者が目を険しくしてどんな風に?とトーンが毎度のことながら上がるのでどうも逡巡してしまう。ローティーンのころに、警察署で激しく尋問を受けたときのことを思い出していやーな気分になる。いずれにしろ血液検査や尿検査の結果は上々で、大学院を終えてボロボロの肝臓で初の検査を受けたときよりもよっぽどいい。医者も大満足である。

ラムズフェルド、ドイツにて国際法違反で訴えられる。

...という少々前のニュース。アブグレイブ刑務所に収容されたイラク人に対する人権侵害の件での告発。ドイツでは2002年以来「国際法違反の犯罪を問う刑法(Code of Crimes Against International Law 英語訳はこちら。)」があるので、この法律を利用してラムズフェルドを始め米軍責任者がアメリカの団体<>に訴えられている。*1米側の反応がいかにも、な感じ。
Pentagon concerned about legal complaint in Germany against Rumsfeld, others

"Generally speaking, as is true anywhere, if these kinds of lawsuits take place with American servicemen in the cross-hairs, you bet it's something we take seriously," said Lawrence DiRita, the Pentagon's spokesman.

"If you get an adventurous prosecutor who might want to seize onto one of these frivolous lawsuits, it could affect the broader relationship. I think that's probably safe to say," he told AFP.

ペンタゴンの報道官ディリータは、銃の照星の的になっている米兵のことを配慮しないこの馬鹿げた告発に対して、我々はマジで対応するよ、と倶梨伽羅紋々な対応。人権侵害かどうか、という点は全く問題にしていない。このあたりの夜郎自大ま米的態度は、今に始まったことではなく、最近でも翻訳が紹介されたチョムスキーがとても詳しくこの点についてインタビューで答えている*2。なおかつ、日本でも今にも始まりそうな議論だ。「イラクの自衛官の命をおまえは考えたことがあるのか云々」。

グーグルニュースでサーチしたら、日刊スポーツの11月30日の記事、及び赤旗の12月2日の記事が引っかかった。他にも共同通信の配信記事で12月1日付。大新聞は報道しないんだなあ。
ブログではこちら。はてなではid:miyutomo2さん(id:miyutomo2:20041206#p3)、id:takapapaさん(id:takapapa:20041206#p6)など。

*1:少々遅れているけど。そういえば先日別の記事で”遅い”という匿名コメントがあった。速報はホントに無理だと思う。それにしても匿名のネガティブなコメントはいつもながら郵便受けに猫の死体を入れられたような気分になる。それがわかってやってんだろうけど。

*2:「冷戦と大学 米国の知識人はどのように生きてきたか、今後はどのように生きるべきか」 ノーム・チョムスキー 翻訳:寺島隆吉+寺島美紀子(公開2004年11月22日)。米国の野郎自大さについて、アカデミズムにおける詳しい様子 ー特に40年代から50年代にかけての様子は記録としてもとてもおもしろい話なので、大学関係者には是非読んで欲しい、と思う。MITがいかに理系没頭的であるがゆえにまともな政治批判主体となりえたか、というような話などー から説き起こして、国際政治の現代史を語っている。一読オススメ。