この二日は一週間でたまった仕事だの人だのがどっと押し寄せて少々グロッキー。ロンドンからは矢の催促。人がこちらの都合にかまわずおしかけてくるので、参る。ついに、忙しくてディスカッションしてられない、とやてきた一人の院生にいったら、でもボスが来週までにどうにかしろっていうのと、泣きそうな目になるので捨て置けず、結局いろいろ話すことになってしまうわけで、ああ。困りごと相談役、人がいいのを見透かされているだけなのかもしれん。

flow fest

ヘルシンキMeccaなる内装の凝ったレストランで飯を食った。昨年度のフィンランドレストランランキング16位に入っている、という。確かに鮭の刺身にカブのマリネとゴマを合わせたり、となかなか凝ったものも出てくるのだが、ワインもそんなによくないしいまいちだなあ、などとおもいつつ、今年6月1日からフィンランドでは公共空間の喫煙が禁止されたため、表に出る。かくなる状況下においての喫煙はしきりに灰をはたきおとしたりしつつ狭い場所で同志の面々となんとなくおしゃべりをすることになるのだが、そのうちの何人かがイギリス人のDJで、ヘルシンキでライブをしにきた、という。クラブなぞの状況を聞き込んでいたら、なんと今晩はジャイルス・ピーターソンがライブをする、とのこと。私にとっては即座に興奮する情報である。12時半、ということはあと一時間である。気もそぞろに勘定をすませ、表通りに出てタクシーを拾った。イギリス人に聞いたFlow Festという名前を告げると、タクシーは入り江の海岸沿いを走って北上。工場などが点在する場所で下ろされた。若者がごちゃごちゃと集まり、膨大な数の自転車が駐輪されている。
会場に入り込むとどこにこんなに人がいたのか、という若者でごったがえしており、そのうちの一人にジャイルスはどこでやるのか、と聴いて、会場をみつけた。予定の12時半にはまだその前のDJがステージの上でパーフォームしていて(職人的な人だった。今みてみたら、Cut Chemistなる人。)、袖のあたりでまだかなあ、などと思って横をながめたら、ジャイルス・ピーターソンがそこに立っていた。驚愕するよりさきに手がでて思わず握手。突然だったので楽しみにしてますぜ、ダンナ、というような意味のないことを言ったのだが、件のダンナのほうはあ、きがつかれちゃったなあ、というような顔でにやっとして、いなくなってしまった。30分後にジャイルスピーターソンはステージにあがり、渋めの曲で開始。でもBBCのラジオショーとちがって、若い観客を意識してか、そのあとはかなり激しいエレクトロが多かった。1時間半〆はカーティス・メイフィールド。たまたまの口コミだったがホンモノをみれて実に感激。